第７章 ページ40
〜午前１１時ごろ〜
先輩：「おい、嵐山、大丈夫か？顔色悪いぞ。」
あ、先輩に気づかれちゃったよ…
やっぱ顔色悪いのかな、俺？
朝は無理して食べたオムライスも結局は吐いちゃって…
なんかゼリーとか食べたほうがいいのかな？
でも、今は集中しなきゃ。
あと１時間でオペ始まっちゃうし、今回は結構複雑で難しい手術だし。集中、集中。
翔：「あははっ、大丈夫です。今日なんかみんなに言われるんっすよね。そんなに悪いですかね？(笑)」
俺は笑い飛ばそうとするけど、絶対説得力ないよな(笑)
でもそろそろヤバいかも…
本格的に気分悪くなってきた。先輩は呆れたように笑って、カルテに集中を戻した。
でも、俺は急に胃の中のものが押し寄せてくるのを感じた。
翔：「うぅ…！んんっ！」
俺は、トイレに走っていって、すぐに戻し始めた。
でも、何にも食べてないから当然出てくるのは胃液だけで、どれだけ吐いても気分の悪さは治らない。
あの嫌な酸味が口の中で広がる。
気持ち悪い…
誰か、助けて。
翔：「んんっ、おぇぇ…ハアッ、ハアッ。っ…」
戻らないと、先輩に心配かけちゃう。
俺はようやくトイレを出て、涙目のまま席に戻った。
先輩：「ちょっと、これはダメだよ、嵐山。診察してもらいなよ。結構やばそうd…って、おい、嵐山？！」
先輩が話してる間に、また襲ってくるあの痛み。
でも今回は違う。いつもより…
１００倍は痛い。
翔：「いっ！アァッ…！ったい！！んん、くっ…！っっっ！」
無理だ、耐えられない。周りの声が全然聞こえなくて、あの吐き気もまた押し寄せてくる。
翔：「グッ…ゴホッ、ハアッ、んんっ…」
俺はとっさに口を抑えるけど、やっぱり出てしまった。
翔：「ぁ…」
でも、俺の手に染まっていたのは、どす黒い血だった。
俺の意識はそこで途切れた。
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作者名：花凛 | 作成日時：2019年5月9日 15時
