高熱（Satoshi) ページ11
智サイド
後輩：「智さん、聞いてますか？」
智「あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた。なに？」
後輩は心配そうに僕の顔を見つめる。
後輩：「大丈夫ですか？顔色悪いですよ。」
僕は笑顔で大丈夫、と答えた。後輩は話を続けた。何だろう。なんかずっと頭がぼーっとしてて、たまにすんごい頭痛が襲ってくるんだよね。
通常じゃないくらいの痛みだし。最悪だ。もうすぐ絵の展示会最後の絵の締め切りだってゆうのに。
打ち合わせが終わると、僕は早速家に戻り、絵に取り掛かった。
雅：「ねえ、智にぃ！俺のプリント知らない？どこに落としたんだろう？さっきそこにあったのになー。」
雅紀が僕の部屋に入ってきて、あちこち見回る。プリント？そういえばなんかさっきあったような気もするけど…
雅：「智にぃ分かんない？プリント明日までに提出なんだよー(泣)」
本当は寝ていたいけど…手伝わないとな。僕は深いため息をついた。
智：「一緒に探してあげる。」
そう言ってといって立ち上がった。はずなんだけど、立ち上がった瞬間頭が割れるような頭痛がまたきて、痛みに思わず声が出た。
智：「っ…！」
そしたら急に視界がぐらりと揺れて、気付いたら僕は床にしゃがみこんでいた。
雅：「智にぃ？ちょ、どうしたの？！」
雅紀は僕にさっと駆け寄り、心配そうに顔を覗き込む。
智：「っ、ハア、大丈夫。ちょっと目眩しただけ。」僕は痛みに耐えながらグッと立ち上がった。僕が調子悪いって知られたらみんなに迷惑かけるもんな。
智：「っ…ほら、プリント。探すんでしょ。」
僕は少し壁に凭れながら雅紀に言った。
雅：「大丈夫。俺一人で探せるから、智にぃちょっと休憩しな。」
僕はグッタリと頷いてベッドに横たわった。雅紀、やっぱりこうゆう所はしっかりしてんだな。
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作者名：花凛 | 作成日時：2019年5月9日 15時
