仲直り…？ ページ5
日向「スーガさーん！！」
休憩の時、日向がおれに向かって走ってきた。
ボウン、と腹にダイブしてきて、グエッとなる。
日向「うりゃー！！」
日向は今買ってきたと思われるコンビニの袋から何か取り出すと、腹いっぱいに息を吸い込み、鼓膜が破れんばかりに叫んだ。
日向「来いやぁァァァァァァァァァ!!!!」
体育館に近い丘にいた音駒の連中や、大地、ノヤなどが、目をつむり耳を塞ぐ。
日向の手には、かにパンが握られていた。
そして、そこに来るのは他でもない。
A「しょぉーーよーー！！！」
Aは日向にジャンプで飛びつくと、押し倒して、ゴロゴロ丘を転がっていってしまった。
パァッと目を光らせてかにパンを眺めるAの下で、日向はぐったりと倒れていたが、どこか作戦どおり、といった目で空を見ていた。
日向「いいかー！！A！これやるぞ！」
すると、どこまでも図々しいAは、
A「これだけか翔陽！？」
と尋ねた。
ホント、清々しいヤツ。
日向「スガさんに謝ったらもっとやるケド。」
A「あー………え…？」
勿論、コイツは嫌な顔をする。
なんだろう…頭の上で天使のAと悪魔のAが言い合いしてる…
A「あ、じゃあさ、孝支、かにパン買ってきて。そしたら許したげる。」
ハァ…ホント………図々しいわ。
日向もそこまで想定してなかったっぽい。
コイツの性格を侮っちゃダメだな。
まぁ、俺も仲直りしたいし、買ってきてやるか。
コイツ頑固だから、ここまでなるの珍しいし、今謝んなかったら次謝るチャンスは死んだあとなんじゃねーかな
ま、こんな時の為に、いっつもストックしてるんだけど……な！
菅原「ほれ。これで良いかー？」
ジャージのポケットからそれを出してやると、Aは飛びつき、むしゃむしゃ食べた。
そして、もうないの…？という目で見つめてきた。
かにパンが終わったら何か飲みたくなるんだろ？
青城の松川だったらここでリンゴジュースを与える…
あの日からなんとなくリンゴジュースも持っといたんだよな。多分もうぬるいけど。
菅原「これで満足か！」
額に青筋を浮かべてリンゴジュースを渡すと、真っ白な細い腕でゴッキュゴッキュとジュースを飲み干していくA。
……何で太らねーんだろ。コイツ。
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