65 ページ18
「チェックメイト」
「……」
当然王子先輩に勝てるはずもなく、惨敗した。
人差し指を立てて、勝って当然のような顔をする王子先輩に少しムカッとする。
…いや、勝てるとは思ってなかったけども。顔のいいやつがそのドヤ顔をするととてもムカつくのだ！
「終わるの早かったですね、瀬名先輩」
「おだまりカシオくん」
こちらもこちらで 煽ってきた。
ちなみに対局中に王子隊のオペレーターである羽矢さんと蔵内先輩が帰ってきた。
二人とも珍しく客人が来たことに驚いていたが、流石はオペレーター。羽矢さんがすぐさまお茶とどら焼きを用意してくれた。
美味しい。身体に染みる。ボロ負けした後は特に…。
「素人ゆえに予想外の動きをする。落ち込むことはないよカシオ」
「はい！」
「今貶されましたよね私」
「そうだな」
唯一の助けだと思っていたのに、隣に立つ蔵内先輩にも軽くあしらわれた。
……もう早く帰らせてくれ。今日はこれから玉狛でランク戦を見るのだ。
玉狛支部は基地から割と遠いから、早く切り上げたい。
「そういえば、セーヌ川は今射手の練習をしているらしいね」
「はい。まだアステロイドだけですけど、最近ようやく物になってきました」
「ハウンドは興味ない？」
「ありますね。…丁度アステロイドと並行してハウンドの練習もしようかなと思ってまして」
「なら僕が教えてあげようか」
「いえ、大丈夫です」
「ん〜残念」
ありがたい話だが、自分はやっぱり自学自習が合う。
王子先輩も断られるのを予想していたのか、特に凹んだ様子はない。
そのまま立ち上がってチェスを片付け始めた。
と思えばいきなり顔をバッと上げる先輩。何か思いついたように目を輝かせて口を開く。
…なんだろう。嫌な予感が…
「そうだ。スコーピオン単体での勝負をしようよ」
「い、今からですか…？」
「うん。今のぼくの実力を知りたい」
ほら当たった。
大規模侵攻の時もそうだが、よく嫌な予感が当たるな…
もしやそういうサイドエフェクト…？
だとしたらものすごく便利だな。迅さんの劣化版みたいな感じだけど。
と思って 浮かれながら 次の日に検査しに行ったけど、そんなこと無かった。
…ただの第六感ってやつだった。恥ずかしい。
「ね？いいだろ？3本勝負で構わないから」
「えー…」
…そろそろ陽太郎に会う時間なのですが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろいど(プロフ) - 一気読みしました！！更新待ってます！ (2022年2月25日 16時) (
レス) id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続き楽しみに待っています！！！！ (2021年12月15日 0時) (レス) @page36 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きで、更新されるのいつも楽しみに待ってるので頑張って下さい！！応援してます！ (2021年2月16日 22時) (レス) id: e0fa08789a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無名 | 作成日時：2021年2月16日 21時
