【WT】攻撃手物語。２

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「あれぇ？遊真先輩じゃん」



カゲ先輩がいなくなり、私もそろそろ寮に帰ろうかと考えていると、今度は駿がやってきた。



「鋼さんとA先輩もいる。なにしてんの？」

「次の対戦相手に会ってたんだ。しゅんは個人戦？」

「うん。先週来れなかった分やろうかなって」



両腕を頭の後ろに組んで退屈そうにする駿。

どうやら学校の定期試験で基地に来れなかったらしい。

今日やっと終わって、試験勉強から解放されたから、体慣らしに来たのだと。


そういえば、私も再来週定期テストだったな。そろそろ勉強を始めなければ…



「遊真先輩やろうよ」

「うむ、いいぞ」



駿の誘いに二つ返事で承諾する遊真。去っていく二人を見て、鋼さんが口を開いた。



「仲がいいな、あの二人は」

「ですね」

「Aはこれからどうする？」

「勉強でもしようかなと…」



やる気は全然起きないが。アホな陽介にナメられるのも癪なのでやることにした。

それにオール100を取れれば、勇さんが何か奢ってくれるらしいし。無理だけど。でも今回こそは隠岐に勝ちたい。



「Aでも勉強するんだな」

「こう見えてもちゃんとやってるんですよ。鋼さんの頭と交換して欲しい…」

「俺はサイドエフェクトがあるからな」

「それがなくても頭いいじゃないですか」



羨ましいことこの上ない。

重たい足を引きずりながらランク戦のブースを出る。なぜか鋼さんも着いてきた。



「教えてやるよ」

「いいんですか？」

「あぁ。どうせ受験終わって暇だし。その代わり100点獲れよ」

「え」



足を止めて振り返ると、そこにはニヤリと笑う鋼さんがいた。

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