四十五歩目 ページ47
Noside
Aは本当に三人のことを覚えていない
ましてや自分の家族さえも
そんなに一気に記憶が抜けるものなのだろうか…
二郎たちは考えていた
もう一度自分たちを思い出してもらうために
ただ一つ、相当前からの記憶が抜けているとなると問題がある
それは勉強面の話だ
今まで学習してきた知識も消えている可能性がある
そうなるとまた一から勉強し直さなければならない
そのためには転校も余儀なくされるだろう
それを疑問に思った二郎は震える声で医師に質問を投げかける
「Aちゃんの記憶って…どこまで抜けてるんだ？最悪の場合…俺達は離れ離れになっちまうのか…？」
「そんな！やだよA…」
「それだけは絶対に嫌です。何があっても私達はずっと一緒だと約束しました。その約束を破る事はしたくありません！」
調も鶴も二郎の発した言葉に何かを察したのか声を大きくして言葉を医者に向けた
医者はその様子に動じること無く冷静な口調で話し出す
「それはまだ分かりません。ですが今ここで確かめることはできます。ですから試してみましょう」
医者はAの横に椅子を置いて座り、持っていた書類の裏側の白紙の部分に何やら問題を書き出した
そしてその紙とペンをAのベッドサイドに置き、解くように諭す
Aはそれを取って問題に取り組み始めた
医師が書いた問題は各教科2問
国語では漢字、数学は計算と図形、理科は生物、社会は地理と歴史、英語は単語を
いずれも中学生で習う範囲で高校生なら余程の悪い成績ではない限り解ける問題だ
Aは昔から成績は良い方だった
だからもし記憶が残っていれば解くのは容易なはずだ
少ししてAは紙とペンをベッドサイドに戻した
医師は解答を眺めながら腕を組んで考え込むような姿勢になった
その様子に三人はゴクリと唾を飲み込む
「出した問題ですが、全て正解していました。となると消えた記憶は人に関するものですね」
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女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
