四十三歩目 ページ45
二郎side
そう言われた途端頭がガンガンしてきた
金属バットか金槌か何かで殴られているような、そんな感覚に襲われる
嘘だろ……？
すぐには信じられず、一瞬魂が抜けたような気もした
藤野と天城も言葉を失っている
「突然の話に驚かれていると思いますが、昨日の検査により高次脳機能障害であると言う診断に至りました」
「それって…、俺よくわかんないんすけど…」
「私が詳しくお伝えしますよ」
応接室に入ってきたのは昨日会った医者だった
看護師さんの隣に座り真剣な面持ちで話し始める
「水澤Aさんは彼女のお話通り、高次脳機能障害という病気です。この病気は脳の損傷により脳の機能が著しく低下するものです。損傷部によりますが、Aさんの場合は記憶を司る部位に炎症が見られます。そして今、Aさんは記憶喪失という状態にあります」
そんな！って言いたかったけど声がかすれて出ない
記憶喪失…
その4文字が脳内を埋め尽くす
「記憶喪失といえどもすべての記憶がないわけではありません。幼少期の頃ではなくここ2、3年の記憶がなくなっています。ですから学習面に関しては復習が必要ではありますが、そこまで心配する必要はないですよ」
「なんで…、Aどうにかならないんですか？」
「今の医療の技術は進歩していますよね、それでも元には戻らないのでしょうか？」
「はい、こればかりは打ちどころの問題です。他の場所であれば治っていたかもしれませんが、記憶に関する部分は大変治療しにくいのです」
俺はただ状況が飲み込めず冷静になれない
次第に体が熱くなり汗を掻き出す
「この後、お住まいになっている関東へ帰られますよね。そのタイミングでAさんもシンジュク中央病院へ転院となります。本日のAさんとの面会を希望されますか？」
「はい！」
「もちろんです」
「ああ…」
「分かりました、ではご案内します」
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女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
