三十三歩目 ページ35
二郎side
とうとう夕方になってしまった
ヤバイヤバイ…
告白って場所とか雰囲気とか大事だって言うのにどうしたらいいんだよ
伏見稲荷大社まで来て悩んでるなんて
「はいはーい！ここから男女ペアで別行動タイムにしよ。」
「ペアはどーすんだよ」
「まずAと二郎くんのペアでしょ、それから調と神原、最後は私と鈴木」
「俺、藤野とかよ〜」
「はいそこ、文句言わない！じゃあ後でここでまた集合ね」
なんか強引な気がするが二人一組のペア行動になった
だがこれはチャンスだ
今こそAちゃんに告白するんだ
千本鳥居の真ん中らへんまで来て俺は立ち止まる
きれいな夕日が俺とAちゃんを照らす
鳥居の色と空の色が重なり、茜色の世界が広がる
後ろを歩いていたAちゃんは不思議そうに首を傾げて俺を見る
『二郎くん、急に止まってどうしたの？』
ちゃんと覚悟を決めるんだ俺！
「あ、あのさっ、お、俺…Aちゃんのことが好きです！その…嫌じゃなかったら…俺と付き合ってください」
頭をこれでもかってくらい下げる
今顔を上げたら恥ずかしくてAちゃんを見れないと思う
『二郎くん…』
優しい彼女の声が耳に入ってくる
バクバクとなる心臓の音を抑えようと深呼吸をして顔を上げると彼女は俺の瞳をまっすぐに見つめていた
『私は…他の人からあまり良く思われていないし、取り柄なんかなんにもない。私が塩酸かけちゃった時も修学旅行の班決める時も、二郎くんには助けられてばっかりだった…。私は、こんなに迷惑を掛ける私でも受け入れてくれる二郎くんが好きです』
彼女ははにかんで俺に近づき両手を握る
『だから…私で良ければお願いします。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
