一章___八節『鑑定魔法』 ページ15
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「………まあ、確率何て形ばかりさ。今この瞬間でも数値がぶれる位だからね。
お、ようやく彼も動き出したようだ。というわけで……マイロード、目覚めるときだよ。
………それと、君は鑑定魔法が使えるようになっているから、自分のステータスを確認してみるといいよ。
最後に、僕から花の祝福を。君の歩む道が、どうかハッピーエンドへと繋がりますように」
「最後の最後でマシンガントークだね、まあいいけど。んじゃ、またね」
「うん………頑張るんだよ？色々と………」
「？わかったよ、大丈夫だってば！」
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瞼を開く。目の前に広がる天井を見て、ここは魔王城だと思い出した。
「あー、しんどい」
体の節々が痛む。魔眼疑似再現なんてやるからだな。歪曲の魔眼はまだましな方かもしれないけど。
「あ、目覚められましたか！」
そう言った魔族の女の人の隣には赤と金を基調とした煌びやかなドレスを飾った透明なクローゼット。
他のクローゼットの中にはドレスとセットのオペラグローブ(肘上まである長い手袋)と艶々したヒールが低めのパンプス。
あと、白と金を基調としたマント。床に着く位長い。つまりはそれほど高貴な人のものなんだな。しかも、これ全てが一つ一つ別のガラスクローゼットに入ってる。ひゃー、怖い。
ドレッサーのところには軽いメイクが行えるほどの化粧品と王族が身に付けるような比較的大粒(直径は10cm位)のレッドダイヤモンドを主役としたネックレスに対となるイヤリング。
イヤリングでちょっと、試してみよう。
えーと、【鑑定】………これでいいのかな……
うおっ、出た………
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【レッドベリルのイヤリング】
ランク:SS級マジックアイテム
現在は、かつて産した石が取引できるのみで、それも原石のままでカットなどはなされず、カットされた物はロストアイテムと認定されている。
このイヤリングは今から初代魔王が手ずから加工したもの。代々魔王に受け継がれている伝統的なマジックアイテムである。
――――――――――――――――――
つまり、私は魔王になるのか。そうか。
……ナ、ナンダッテー！
因みに、自分を鑑定してみたらレベルが爆上がりだった。
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