【あんスタ】冗談抜きで好き【羽風薫】 (ページ7)

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武術ページ7

「それにしても、飛び蹴りって凄いよねぇ」
「練習すれば誰でも出来るでござる！」
「え、ほんと？」
「うむ！武術は楽しいのでおすすめでござる～♪」

いつもの口調で、講堂で話して。
武術かぁ……楽しそうだけど、疲れそう。

「武術をするなら桔梗の父上に話を聞くといいでござるよ～」
「お父さん、武術教えてるんだっけ？」
「桔梗家に伝わる武術を教えている……はず！
もしかしたら桔梗は桔梗家から離れると思われて、教えられていないかもしれないのでな」
「……難しいねぇ、桔梗のお家」

少し悲しそうに彼女が笑う。
ああもう、そんな顔で笑われても。
こっちまで心が痛くなる。

きっと彼女は心身共に満身創痍で、
忍者のような話し言葉で出会いと別れを切り捨てて。
ただただ1人だけでも生きていける世界を確立していた。
……でも、そんなのは俺には効かない。
初めて目が合った時、ああ、この子だって。
所謂一目惚れ。

「悲しそうに笑うの禁止ね」
「何も悲しくなどないでござる」
「その返事が答えでしょ。……ほら、こっち向いて」
「……桔梗の負けでござるな」
「勝負してるわけじゃないでしょ？」

あはは、と笑って頭を撫でる。
好きだよ。
君のどんな顔も、声も、何もかもすべて。
心の底から、愛してる。
そうやって言えるんだ。

これからもずっと、離れないでよ？
俺の大事なたんぽぽちゃん。