【HQ!!】長身リベロ女顔少年は今日も滑る。

滑走52 ページ14

なんて楽しそうにバレーをするのだろう。


そう、思った。


烏野を倒してきた青葉城西という高校が、どうしたっていい印象にならなかった。


だって、やりたかったし。


ゴミ捨て場の決戦。


負けたと聞いた時は正直ちょっと泣いた。


「クロ、なにニヤニヤしてんの」


「わりぃ、楽しくて、つい」


けれど、こんなの、良い印象にならざるを得ないだろう。


(ほんっとうに、良いチームだな、クソ)


負けないくらい良いチームな自信は自分たちにだってある、から。


絶対に勝つ。


8-7


俺たちの一点リードでむかえたコートチェンジ。


本当に、楽しい。


しんどいことが楽しい。


「いくぞ！」


威勢のいい声が、エンドラインから聞こえる。


頼もしい仲間の声が背後から聞こえ、その思いを乗せたボールがネットすれすれを飛んでいく。


少し乱れたボールを、当たり前だという風にリベロが綺麗なトスにするものだから。


「ゆっくり！」


「クロス！」


ブロックも負けてられない。


叩き落とせば、即一点。


ブロックがコートに叩き落とす一点は、ただの一点じゃなく、精神的には何倍もくる。


が


「及川さん！」


そう簡単に点はくれないらしい。


「手ぇ前出せよ！」


かすりも、せず。


そのフェイントは、地に叩きつけられた。


「んにゃろ…！」



8-8

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