逃走13 ページ22
「バレー部に入れ」
朝、HRの前の時間。
朝練を終えた者が、次々と教室に姿を見せる頃。
「…なんや、お前までそんなこと言うんかいな」
自販機前で、買いたての飲み物を持ったまま振り返ると、そこには影山がいた。
浅く笑う僕とは違い、鋭い目をより一層鋭くさせ、険しい顔をしていた。
「お前、あんなレシーブできんのに、全国いける力もあんのに。…なんでバレーやらねんだよ」
「…じゃあ、逆にきくけどさ」
カタン、
一旦飲み物を地面に置き、改めて影山と向き合う。
コイツは神経が図太そうだと思った。
「強い奴とか、上手い奴がバレーせなあかんキマリとかあるん？好きやからするんやろ。…ただ機械的にやっとるだけでは上達せぇへんし」
ゆらり
意思の強そうな綺麗な瞳が、少し揺れる。
「…なに、僕、まちがっとる？」
「お前は」
そのまま、言い逃げする気だった。
何をやっても崩れない目に、負けてしまいそうだったから。
「バレー、好きじゃねぇのかよ」
「…好きやな」
「じゃあ何でだよ」
こんなに饒舌な奴だとは思っていなかった。
バレーのことに関しては、こんなにも食いついてくるのかとある意味感心した。
「部活って場所でバレーしたくないねん」
「俺は」
ざ、
近づく、距離。
あまりの迫力に後ずさりしそうになった足を、ぐっとこらえる。
「俺は、ドクサイシャだった。…自分勝手にバレーして、仲間にトスを拒絶された」
知ってる。
お前がどれほど苦しんできたのかは分からないけれど、わかる気がするから。
「最初、ここに来た時、俺はまだまだ中学のままだった。…けど」
ぶわ、
少し肌寒い風が、互いの髪を揺らす。
サラサラと視界を遮る髪の間から見えた影山の顔は、ひどく綺麗だった。
「いま、烏野の人たちのおかげで、俺は変われたと思う」
目をつぶると、そのやけに長い睫毛が白めの肌によく映えていて。
優しすぎる彼の顔から、目を逸らすことができなかった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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あずきいろ
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ことり(プロフ) - 涼牙さん» はい、兵庫です！お！同じ地域ですね〜(￣▽￣)おかしくなかったですか？よかった！書いてると、播州弁ってどんなやったっけ、と思ってしまうこともあったので…笑コメントありがとうございます！ (2016年8月27日 20時) (
レス) id: 2ced1a2272 (このIDを非表示/違反報告)
涼牙(プロフ) - 作者さんは兵庫出身ですか？？私兵庫県の播州地方出身なんですけど、関西圏の県のチョイス珍しすぎて!!!けどめっちゃ親近感あって嬉しいなっておもいましたｗｗ話もとっても面白くて関西弁もエセじゃないのですごく読みやすいです!!! (2016年8月27日 20時) (レス) id: 0e7c52b882 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - マィ*さん» ほんとに！嬉しいです！コメたくさんくれて言葉にできないほど嬉しいです！ (2015年1月14日 21時) (レス) id: 16a917a74e (このIDを非表示/違反報告)
マィ* - 励みに…?!?!思った通り書いたのですが…!!でも励みになれて(?)よかったです!!(「励みになれて」なんか言葉的におかしい気が←) (2015年1月12日 20時) (レス) id: 008b198d4a (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - マィ*さん» いえいえ！ほんと励みになります\(//∇//)\ちゃんと寝ましたよ！更新がんばりますね！ (2015年1月10日 20時) (レス) id: 16a917a74e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2015年1月1日 21時
