【YOI】Lonely fairies 【ユーリ・プリセツキー】 (ページ20)

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ふわりと絹のような金髪をなびかせながらリンクの中央へ。

クッと顎を引いて、目を伏せた。

愛について、アガペー。

まずは片手を挙げての４回転ジャンプ。続いてのコンビネーションジャンプも綺麗に決まった。

表情も、温泉 on ICEより落ち着いて、ちゃんと愛についてを追求している。

「(綺麗………)」

凛とした、それでいてどこか切ない眼。白い肌に、汗の水滴と蒸気した頬。

華やかな衣装を着ているわけじゃないのに、なんて美しいんだろう。15歳とは思えないきらびやかさに、私と勇利は目を離せずにいた。

３つ目のジャンプ。これも綺麗に成功。着地した時の一瞬の隙間で、ふとユリオと目が合った。

射抜くような、けれど美しいエメラルドグリーンの瞳。引き結ばれていた口元が、挑発するように孤を描いた。

「…………っ！」

ただ一瞬のことなのに、何でだろう。寒いリンクで、私だけが熱い。

「(これが完成したら………どこまで人を魅了するんだろう)」

それが楽しみだけど、少し……

「(……ううん、何でもない)」

ユリオのアガペーは、ノーミスで終えた。