Preghiera di duo～君が為の悲哀恋歌～ (ページ4)

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＊標的3 ページ4

「まぁ、お前としても良い「お願い事」じゃないのか？」
　「あ？」

　悪戯な笑みを浮かべて少年は青年に言う。青年は意味が解らず、少年に聞き返した。

　「彼女に会えるんだしな。しかも、JK！
　あの時から既に可愛かったからなぁ～、今じゃとびきりの美人になってるんじゃないか？もう、絶世の美女！みたいな！
　既に彼氏とかいたらどうしよ～、オレ、ショック受けるかもしれない」
　「からかうな。
　ルーン家当主(お前)の｢命令(オネガイゴト)｣に従うのが、ヴァルフォア(俺)の役目だ。
　それに良いもクソもあるか」

　少年の言葉を突っぱねて、青年は呆れた様に肩を竦める。つか、お前は既に婚約者がいる身で何を言ってんだ。
　もう少し、少年の女好きがなりを潜めてくれたらいいのに、とも思うが、今更である。

　そんな事を考えて頭を抱える青年に「お前って、本当にお堅い人間だよなー」と、少年は笑った。
　そんな彼だから、少年は彼を信頼しているのだが。

　「話が終わったなら俺は出て行くからな」
　「あぁ、期待してる。Ciao」
　「Arrivedelci」

　青年は肩越しに彼に挨拶をすると、応接間から出て行った。

　これが彼──リオン・ヴァルフォアの長い長い旅の始まりだった。