Preghiera di duo～君が為の悲哀恋歌～ (ページ14)

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「今日からお前らの担任になる、リオン・V(ヴェルベーラ)・ヴァルフォアだ。よろしく」

　男性教師──リオン・V・ヴァルフォアの声を聞いた女子生徒からは黄色い悲鳴が上がった。

　「え～？こんなイケメン教師居たっけ？」
　「背高い！」
　「超美形！」
　「声、めっちゃイケボじゃん！ヤバい、惚れるぅっ！！」

　リオンを絶賛する女子の声が聞こえるが京子はそれよりも、驚きやら嬉しさやらで夢でも見ているんじゃないのかと思った。
　だが、凭れている背凭れの感触と着ている服の感触から、夢じゃないのだと思う。
　容姿は然る事ながら声、仕草、立ち居振る舞いは間違いなく、彼──リオンだ。

　(そんな、夢みたい。
　本当にリオン君が日本(こっち)に来るなんて！)

　最後に会った時の事を思い出す。
　あの時はまだ大学生だった彼だがマフィアの一員でもあった為、ボスが五月蠅いからとイタリアへと帰ってしまったのだ。

　そんな事を考えていると、リオンが騒いでいる生徒に「静かにしろ」と声を掛ける。
　久しぶりに聞くリオンの低い声に、京子は安心感を覚えて頬を綻ばせた。

　(雲雀さん(胃腸破壊兵器)の興味を引きそうな人(燃料)来ちゃったよー！！)
　(The end of オレの胃腸……)
　(うわー……ごしゅーしょーさま、俺)

　そんな京子とは裏腹に、綱吉、獄寺、山本は胃痛を感じたような気がした。

　「ロングホームルームを始めるが……まぁ、特にやることはねぇし、多分、初めましての奴も多いと思うから自己紹介を適当に……出席番号の最後から遡ってしてもらおうか」
　「何で最後からなんですか？」

　リオンの言葉に疑問を持った生徒が質問した。その質問にリオンはこう答える。

　「気分だ」

　――何だそれ！？
　沢田、獄寺、山本、京子以外の生徒全員、そんな事を心の中で突っ込んだ。
　沢田、山本、獄寺は「こいつ、全然変わってねぇ！」と、京子は「楽しいクラスになりそうだなー」と、それぞれが思った。
　リオンが気分屋なのは、今に始まった事ではない。何なら、そのリオンの“気分”とやらで、雲雀と戦う羽目になった事が何回あったのか

　(このクラス、本気で大丈夫か？)

　獄寺は呆れ返り、山本は「まぁ、楽しそうだしいっか」と、お気楽に考える事にした。
　ポジティブシンキングは彼の信条だ。