Preghiera di duo～君が為の悲哀恋歌～ (ページ13)

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第2楽章 Rincontro―再会― ページ13

標的1

　「京子ちゃん！」
　「あ、ツナ君！それに、武君に隼人君も！
　同じクラスだったんだね！」

　教室に入ったら綱吉に声を掛けられ、京子はそのまま綱吉達が屯(たむろ)している机へと向かった。
　綱吉は頬を綻ばせる。

　「そうみたいだね、よろしく」
　「うん、よろしく！」

　綱吉の表情を見れば、喜んでいる事が普通に解った。京子もそれに応える様に笑顔で頷く。
　何だかんだで4人共、友人が同じクラスになって嬉しいのだ。

　京子、綱吉、獄寺隼人、山本武は、中学二年の時に木吉レーナの策略に嵌って対立していた。が、ミオンが京子を助けて架け橋になった事により四人は和解して、以前よりも良好な関係を築いている。
　京子が山本と獄寺を名前呼びし始めたのは、中学三年になってからの事だった。
　それからはぎこちなさもなくなり、「大切な友人」として信頼し合っている。

　「そう言えば、さっき恭君と廊下ですれ違ったよ。
　なんだか物凄く機嫌が良さそうだったけど、何か嬉しい事でもあったのかな？」
　「えぇ……？そうなんだ……」
　「マジか」
　「やべぇな、確かミオンが「機嫌のいい時の恭弥ほど、要注意だぞ」とか言ってた気ぃする」
　「その「ミオン関係」なんじゃねぇか？彼奴の機嫌が良い時って、大概ミオン関係かリボーンさん関係だろ」
　「だな」
　「うん」

　京子の報告に、京子以外の3人は表情を強張らせる。
　ミオンや京子とも交流を深めていく内に、綱吉たちも雲雀と関わる事が以前にも増して多くなった彼らは、雲雀と言う名の胃腸破壊兵器にトラブルに巻き込まれる事も増えてしまったのだ。
　京子以外の彼らは思う。今年は平和に過ごさせてくれ、と。

　――キーンコーンカーンコーン……。
　チャイムが鳴って、生徒は席に着く。
　京子と綱吉達も、「また後で」とそれぞれの席に着くとそのタイミングでガラッ、と教室の扉が開いて一人の男性教師が頭の上で纏め上げた黒い長髪を靡かせて教室に入ってくる。
　その場に居た誰もが、その男性の姿に息を飲んだ。

　黒い髪と対照的な病的に白い肌が、その美しさを際立たせており、深い海の様な藍色の鋭い瞳に目を奪われる。彼はそのまま黒板に向かって何かを書くと、生徒達の方へ向いた。
　その顔を見た京子、綱吉、獄寺、山本はその目を驚きに見開いた。
　その顔は、彼らがよく知る人物の物だった。