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廉の笑顔が固まって、ゆっくりと抜け落ちていく。
私を見つめる。
どこか泣きそうな、何かを訴えかけるような、そんな瞳で。
「…おるよ、」
「でもそいつは、自分が好かれとるってことにも気づいとらんのや」
「鈍感やからな___」
…廉も、誰かに傷つけられてるのか。
ただの共演相手の恋愛話をわざわざ聞いてくれるような優しい人なのに、そんな彼でさえも振り回されるような人がいるんだ。
きっとその人は、すごく強くて明るい人なんだろうな。
どこかぼんやりと考える。
「俺はそんな感じやし、」
「もう進みそうもないし」
「やから、俺の分まで幸せになれ」
真っ直ぐに私を見つめるその瞳は、とても強かった。
そして、痛いほど切なかった。
「…私に、チャンスあるかな」
そっと呟く。
「もう平野っちは、私のこと嫌いになったでしょ?」
あの時助けてくれたのも、たまたま酒井さんと会ったからだろう。
そこに個人の感情はきっと存在しない。
そう冷静に思いながらも、実はまだ彼が私を好きでいてくれてるんだと、そんな夢に縋りたくなる自分がいた。
「…そんなの、聞いてみらんと分からんやろ」
「1ミリでも好きな気持ちがあるんやったら、」
「迷わんで行け」
「やないと、一生後悔する」
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舞(プロフ) - 友梨さん» 初めまして、コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです…!まだお話は続きますので、ぜひ楽しみに読んでいただけるとありがたいです。 (2020年10月18日 0時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)
友梨(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく拝読させて頂いてます!舞さんの作品とても面白くて何度も読み返してます!いつも応援しています!頑張ってください!!! (2020年10月17日 18時) (レス) id: 5a310d6604 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - じくねこさん» またコメントありがとうございます!嬉しいです!これからも楽しんで読んでいただけるように頑張りますね…! (2020年9月12日 1時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます続き楽しみ (2020年9月11日 23時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - じくねこさん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!作者のモチベーションアップに繋がります( ;∀;)今日も更新するのでぜひ楽しみにしていてください…! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞 | 作成日時:2020年8月23日 10時