Gittering World (ページ15)

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「…平野っち？」

彼もまあまあのマヌケ顔を披露。

「何となく思いついたの、可愛いし？」

某キャラクターから発想を受けたのもあるし。

最初はポカンとしてた彼だけど、やがて子犬のように目をキラキラさせた。

「いいねそれ、俺初めて呼ばれた！」

私のセンス皆無のあだ名をどうやら彼は気に入ってくれたようだ。

「じゃこれからはそう呼んでね」

「うん、平野っちもね」

意外にあっさりしてて話しやすい。
近寄りがたいとかそんなの全くなくて、むしろ彼は友好的な性格なんだろうな。

「…俺さ、水ちゃんのこと前から気になってたの」

唐突に言い出す彼。
気になってたって、どこを見て？

「水ちゃん、『Catch News!』でコメントしてるのかっこよかったから。あ、誰にも気を遣わないで思ったこと言ってるんだなって」

「…私、はっきり物を言いたい性格だから。事前に用意されたコメントを言うんだったら、そんなの私じゃなくたっていいんだよ」

せめて、あの場では存在意義を見つけたかったの。

「…へえ、やっぱりかっこいいね」

彼は少し遠くを見やる。

「俺はアイドルだし、なかなか思ったこと言えないんだよ。ファンの人たちの求める俺たちの姿を壊すことはできないから」