黒猫と赤豹 【千切豹馬】【ブルーロック】

オープニング ページ1

〈千切side〉

潔「なぁ、千切」




横で珍しくドライヤーをしている潔が話しかけてくる



千「なんだよ」




俺はぶっきらぼうに返事を返す




潔「千切ってさいつもそのヘアピンつけてるよな」




そう言いながら潔は黒猫と赤豹が戯れているような絵柄のヘアピンを指差す



あぁ、これか



もうずいぶん使い古されてんなそんな歳月経ってないのにな…




千「そうだな、俺の宝物だし


ほら、潔はそういうの持ってこなかったのか？」



潔「特にないな


あ、でもお守りは持ってるよ！運に頼る気はさらさら無いけど親が持ってけって…あはは」




そう言いながらも少し頬を赤く染め口元が緩む潔



なんてわかりやすいやつ



こいつの事だし大切にしてんだろうな





潔「つーか宝物ってなんだよ、


ねぇちゃんから貰ったのか？」




いや、ねーだろ



これは




千「いや？家族じゃねぇ


でもすっごく大切なやつ」




納得してないな




潔の顔に書いてあるも同然だ




潔「ん〜じゃ彼女か！」





彼女って(笑)




まぁ、普通そうなるよな


　

彼女か…




鼻先がツーンとしてくる



目頭が微かに熱くなる



千「違うって…



でも、彼女だったら…よかったかもな…」




段々と弱々しくなる声




潔の腑に落ちない顔



段々と思い出すあいつの輪郭




パレットから絵の具を溢したような思い出




いつだっけ出会ったの




あの時の夜…綺麗な満月だったな

設定→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す