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42. ページ42

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「A!」



私を呼ぶ声が聞こえる。ママが私を呼んでる。行かなきゃ。でも行ってしまったら、もう彼とは___

御影くんと一瞬目が合って、微笑まれた。



「っ……!」



握られているだけだった手を握り返す。人の波を抜けて、扉まで一直線に手を引かれて走る。



「A!A!!」


「待ちなさい!」



連れ出して欲しいって思ってた。一緒にこの鳥籠から逃げ出せたならどんなにいいかって。

でもいざそうなってみると両親に申し訳なくて、涙が浮かんでくる。パパもママも、私を呼んでる。

もつれそうになる足を必死に動かして、廊下の突き当たりにあるエレベーターに乗り込んだ。



「待ってA!」



母の泣きそうな声に、ぎゅっと目を瞑った。

ウィーンと音を立ててドアが閉まり、2人分の息遣いだけが小さな箱の中に聞こえる。

耐えられなくなってその場に崩れ落ちた。



「ぁ…ぁあ……っ」



どうしよう。パパもママも、きっと怒ってる。悲しんでる。きっと泣かせてしまうんだろう。そう考えると胸が張り裂けそうで、思い切り胸をかき抱く。

乱れた息の下、涙が溢れてどうしようもない。

そんな私の頭にそっと手が触れたのを感じてまた涙が溢れた。



エレベーターを降りてエントランスも抜け、出入り口の自動ドアを抜けると、そこには一台の車が停まっていた。

確かこの人、御影くんのばあやさんだ。こんなことまでしてくれるなんてと胸が痛くなる。

じっと見つめて立ち尽くす私の視界を冴くんが塞ぐ。頬に手が添えられて、まっすぐに視線を合わせた。



「嫌なら、いま戻る。…どうする」


「っ……」



戻る?あの鳥籠の中に、また?ママのお菓子をいっぱい食べて、2人の愛を一身に受けて、御影くんと結婚して?

____違う。それじゃダメなんだ。



「…戻らない。お願い、連れ出して」



頬に添えられた手に指先を重ねて、きゅっと握った。その手が形を変えて、指先が絡み合う。

唇を塞がれて目を閉じると、また涙が溢れた。



「A様、糸師様、お時間です」


「ん…はい」



手を握られながら車の後部座席に座り込み、隣に座った冴くんと手を握り合った。


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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです!玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました! (4月7日 14時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか、、、考えても考えてもまとまりません!冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました!本当に最高でした!!ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした、、、‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます!素敵な考察までして頂けて嬉しいです!2人とも本当にいいキャラですよね! (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました!最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました!! (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年3月6日 11時

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