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「昨日も今日もほんとに楽しかった。ありがとう、冴くん」
そう言いながら抱き着けば、優しく背中に腕が回される。彼はぶっきらぼうな言動に反して実は深い優しさを持っている。
「じゃあ…そろそろ、行くね」
「ああ。…気を付けろよ」
「うん。ありがとう」
もう帰らなきゃいけないのは寂しいけれど、もう少しで彼の出場しているシーズンが終わる。また会えるんだから。
そう言い聞かせて体を離し、駅のホームへ足を踏み出した。
____全部、私の不注意だった。
『糸師冴に熱愛発覚‼︎‼︎』
そんな見出しの踊る雑誌を目の前に突きつけられて、言葉が出てこない。どう言い訳することも出来ない。
だってその写真は確かに私が写っていて、両親から見れば目元だけ隠されていたところで娘の姿だと見間違える筈がない。
「……言い訳も無いってことは…本当なの？ねえ、A」
母の声が震えている。
「どうして…どうしてだ、A！？お前には玲王くんがいるだろう！それをこんなっ…こんな男に！どうしてだ、A！」
「こんな男…っ彼を侮辱するのはやめて！」
「そんなことより先に答えろ！A！」
父に強く肩を掴んで揺さぶられる。
その写真には、変装した彼と並んでテーマパークを歩いている姿が写されていた。言い訳なんて出来ないほど、ばっちりと。
強く拳を握り締めて、震えそうになる声を絞り出す。
「嘘をついたのは…ごめんなさい。私が悪かった。だけど、」
「なんてことだ…っ」
「聞いてよ！彼は優しい人なの！優しくて、強くて、誠実な人なの！御影くんと同じくらい素敵な人なの！」
「…いつからだ？」
「っ…会ったのは、1年くらい前。お付き合いは…4ヶ月前、から」
「そんなに前から…」
母はただ泣き崩れている。父はそれを支えながら、厳しい視線を私に向けた。
「許さない。彼とは別れなさい、A」
「なっ……い、いや！嫌、嫌！それだけはっ…私には…私には冴くんが必要なの！ごめんなさいパパ、謝るから！いくらでも謝るから！」
「ダメだ。お前には玲王くんがいる。言うことを聞きなさい、A」
「パパ！」
部屋に連れて行きなさいという言葉に従って、父の付き人に腕を引かれる。抵抗しても、力で敵う訳もなかった。
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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです！玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました！ (4月7日 14時) (
レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか､､､考えても考えてもまとまりません！冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました！本当に最高でした！！ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした､､､‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます！素敵な考察までして頂けて嬉しいです！2人とも本当にいいキャラですよね！ (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました！最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました！！ (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2024年3月6日 11時
