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パーティーに自分の足で参加するのは10年振りのことだ。松葉杖も一緒だけれど。
御影くんの手が背中に添えられている。支えられながら、ゆっくりと足を動かした。
「あら、玲王さん。帰ってらしたの？」
「長谷川さん。はい、今日の為だけなのですぐに戻るんですけど」
「ねえ、向こうでお話ししましょう？友人も一緒なんです」
百合香さんは私を見てクスリと笑い声を落とす。御影くんの腕に擦り寄るのを見て眉根が寄りそうなのをなんとか堪えた。
「いえ、申し訳ないけど九條がいるので。また機会があれば」
「なっ……」
腕を解いた御影くんを思わずパッと見てしまう。私に気を使う必要なんかないのに。
百合香さんは誘いを断られたことで顔を赤くし、失礼と言い捨てて私達から離れて行った。御影くんの出会いの場を潰してしまったことが申し訳なくて、そっと声を掛ける。
「ごめんね、私のせいで。気にしなくて大丈夫なのに」
「いいって。あんなん相手したら疲れるだろ？」
「まあ…そうだけど」
2人してクスクスと小さく笑い声を上げた。
＊
「なあ、なんで冴なんだ？」
「え、っと…」
なんだか恥ずかしい。でも協力してくれるんだし言わない訳にもいかないだろう。用意された椅子に腰掛けたまま、組んだ両手を握り合わせる。
「助けてくれたの。初めて会った時…ちょっと、倒れちゃって。それを抱き上げて助けてくれて」
「へえ。そういうのするイメージ無かったわ」
「そうなの？彼、すごく優しいと思うけど」
「むしろ冷たくね？九條、まさか騙されてる？」
「そんな訳…ないと、思う」
御影くんの糸師さんに対する印象は私とは凄く違うようで、話をするたびに懐疑を浮かべた顔が顰められていく。
歩けるようになろうと思ったのも彼のおかげだという話をすると、元から大きな目を更に見開いた。
「マジかよ。ほんとにそれ糸師冴？別人じゃないよな？」
「本人、に見えたけど」
「そこは自信持って否定しようぜ」
ふふっ、と笑い声を零した私に彼はどこか困ったような顔をして笑う。
「ま、惚れたんなら仕方ないよな。言った通り、応援する」
「ありがとう。上手くいくか、分からないけど」
御影くんは優しい。こんなに素敵な人と私なんかではきっと釣り合わない。じゃあ糸師冴とは釣り合うのかって言われたら、それも微妙。
でも仕方ない。惚れてしまったんだから。
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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです！玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました！ (4月7日 14時) (
レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか､､､考えても考えてもまとまりません！冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました！本当に最高でした！！ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした､､､‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます！素敵な考察までして頂けて嬉しいです！2人とも本当にいいキャラですよね！ (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました！最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました！！ (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2024年3月6日 11時
