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ガタガタンッと大きな音がしてその音の方へ目を向けた。
日本の巨大なホテルの18階、広く長い廊下でのこと。
そこにあったのは倒れた車椅子と投げ出された女が1人、笑いながら去って行く女が数人。その1人は座り込んだまま床に手をつき、ゆっくり起き上がろうとしている。
「ど、どうしよう冴ちゃん…？」
「はぁ…」
何かの書類を両腕に抱いてオロオロするマネージャーを置いて、ぶつけたらしい肩の辺りを摩っている女に歩み寄る。
倒れている車椅子の両輪を床につけ、驚いているのを気にせず背中と膝裏に腕を回した。
「あ、あの…」
「部屋は」
「えっ？」
「部屋の番号は」
「あ、えっと、2001です」
「上かよ…」
なんでこんな所にいやがると思ったがそれは態度には出さず、車椅子のハンドルに手を掛ける。
チラチラとこちらを振り返るその女は長い髪をしきりに触っていて、きっとそれが癖なんだろうなと思った。
エレベーターに乗って2階分上がり、廊下を進んで2001の扉をノックすると少しして扉が開かれた。
「はーい。ああA、戻ってきたのね……あら、糸師冴さん？」
中から出てきた婦人はどうやら自分を知っているらしく、こちらを見て目を丸くしている。それを倒れていた女が説明した。
「倒れちゃったのを助けて下さったの。あの、本当にありがとうございました。助かりました」
「倒れた！？A、どういうこと！？」
「ママ、後でにしよう。あの、糸師さん、よろしければお茶でも飲んで行かれませんか？何かお礼がしたくて」
振り返ってこちらを見上げる瞳には申し訳なさが浮かんでいる。でもそれを振り切って首を振った。
「いや、別に。大したことはしてないっす。予定もある」
「そう、ですか…」
申し訳なさと残念な思いが如実に目に現れる。分かりやすいやつだと思いながら、車椅子のハンドルから手を離した。
「本当に、ありがとうございました」
「私からもありがとう、糸師さん」
「いえ。…それじゃ」
「ええ、また」
また？と思ったが口にはせずに、その場を後にした。
最後、かちあった視線の先にあった瞳に一瞬だけ目を止めてしまったのは、一体なぜだったのか。
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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです！玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました！ (4月7日 14時) (
レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか､､､考えても考えてもまとまりません！冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました！本当に最高でした！！ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした､､､‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます！素敵な考察までして頂けて嬉しいです！2人とも本当にいいキャラですよね！ (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました！最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました！！ (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2024年3月6日 11時
