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私が起きるともうそこには彼の姿はなかった。




昨日のが夢だったのかななんて思うくらい何も残ってない。





二日酔いで重い体をなんとか起こしベッドから出るとなにかテーブルに置いてあるのが見えた。








ゆういつ彼が残して、いや、置いていったものは...







『...電話番号、』





メモ用紙に昔から変わらない雑な字で書かれた電話番号だった。






電話番号の下を見ると






"起きたら連絡するように"






ってこれもまたちょっと汚い字で書いてあった。








このまま連絡しないっていう選択もあったけど、彼なりの優しさだと思い彼の電話番号をスマホに打つ。







そしてしばらくの間スマホとにらめっこ。








意を決して少し緊張しながらスマホを耳元に当てると2コールで出た彼。






『...もしもし』








廉"起きた?"




彼はもう家に帰ったのだろうか。




わずかだけど電話の向こうから洗濯機の音がした。





『さっき起きた、昨日は本当にごめんなさい』




廉"俺も楽しかったから気にしやんで?"




私が謝るとまたそうやって私を期待させるような言葉を残す。





『...』



廉"..."






そこからお互い何もしゃべらず沈黙が訪れたが切ろうかと思ったがそれを破ったのは彼だった。









廉"なあ"




『ん?』









廉「また会いたい」







ほら、そうやってまた私を期待させる。








私はもう永瀬くんへの気持ちには蓋をして会うのはこれで最後だって





そう心に決めたのに









廉"あかんかった?"




寂しそうにそうやって言われたら








『ううん、私も会いたい』






そう言うしかできないじゃん。









『忘れたいのに...』







電話を切って出たその言葉は雲ひとつない空に吸われた。

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永瀬廉LOVE - 私は、廉が好きなのでとても良かったです (2019年3月22日 13時) (携帯から) (レス) id: 3696e247e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:詩 月 | 作成日時:2019年3月17日 20時

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