Double Face. 【HQ!!】３

烏.９７ ページ20

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　コート外の声が聞こえているのか聞こえていないのか、お兄ちゃんがストレートを打って１点入った。


　「ナイスキー、お兄ちゃん。徹もナイストス。」

　「Aもナイスレシーブ。」

　「A、次は少しボール高めにちょうだい。」

　「はーい、次は合わせる。」


　ハイタッチをする私たちを、鳩が豆鉄砲を食らう否烏が豆鉄砲を食らったような顔をして見ていた烏がいたなんて気付いてない。


　
　お兄ちゃんのサーブを司が上げ、田中の二段トス。

　徹とお兄ちゃんが前衛でブロックの構えをする中、トスを打った司のスパイクは徹からの指示通り上に上げる。



　「…ん？」

　「さっきと、ボールの位置が違う…。」


　先程までとは違う、高くネットから少し離れた場所へと上がったボール。それを、トスを上げずに徹が打った。



　「か、かっけぇぇぇ！！」

　「今、何も及川さんサイン出してなかった…。」

　「なのに、さっきとはAのレシーブが違った。…何でだ？」


　セカンドタッチでのスパイクに相手コートのレシーバーたちは反応が出来ず、ボールは床に叩きつけられた。自分がスパイク打ったわけじゃないけど気持ちいい。



　「ナイスレシーブ。久々に見たな、Aとお前の速攻。」

　「あれって速攻になるの？」

　「仕方ないでしょ、オーバー苦手だし。」

　

　「出た幼馴染特有のよく分かんねぇチームワーク。」

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