Double Face. 【HQ!!】３

烏.１１０ ページ33

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　お互いのローテが一周して、また凌さんのサーブ。点差は５点で望月優勢。


　警戒した顔でノヤ、田中、澤村先輩が凌さんと凌さんの持つボールを見つめる。…もし、烏野のローテが違ったら凌さんのサーブがもう少し長かったかも。



　ふ、と目線をずらして烏野のベンチを見れば、烏養コーチはどうしようかと考えているし、武田先生、仁花ちゃんは心配そうな顔、潔子先輩は記録を録っていた。…いつもと変わらないな。


　「岩泉、どうかしたか？」

　「いえ、何も。早くバレーがしたいと思っただけですよ。今日は全然してないので。」


　「お前も大概なバレー馬鹿だな。」

　「コーチに言われなくないです。」


　

　コーチの口癖「バレー馬鹿」

　それは私たちにとってのコーチからの誉め言葉。



　「それもそうだな。…今日は、凌調子がいいみたいだな。」


　「ですね。」



　今日の凌さんは朝からずっと調子が良い。いつもそこまでムラがある人じゃないけど。

　今日の試合だけで、凌さんの取った点数はなかなかのもの。エースだから上げられるボールも多いけど、ミスが少ない。



　「何かあったのか？」


　「知らないですよ。凌さん、結構秘密が多い人ですし。」

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