【平和組】比.較.的.平.和な家族について。【+a】 (ページ3)

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03 : ドアのノックは何回だっけ？ページ3

「A〜！！」

自室で学校の準備をしていると、下からレトにぃが私を呼ぶ。

「どしたの〜」
「P-Pとキヨくん呼んでくれへん」
「は〜い」

スカーフを整えて青いプレートの隣の部屋にまず向かう。
ドアをノックしても反応はない。

「ぴぃにぃ、朝だよ〜」

レトにぃが私にするようにカーテンを開ける。

「………まぶし、」
「はすにぃが朝ごはん作ってくれたよ」
「……起きる」

のそりと起き上がったのを確認して、青いプレートの部屋の隣に向かう。
隣の部屋は赤いプレート。

「キヨにぃ、朝だよ。起きて」
「…………」
「今日バイトでしょ〜、起きて〜」

キヨにぃはなかなかに厄介で、カーテンを開けて陽の光を浴びせても起きない。
ぐぅぐぅ、と気持ちよく寝息を立ててる。そんなに幸せそうに寝られたら起こすのも罪悪感が起こってしまう。

「キヨにぃ〜！起きてよ〜！私がレトにぃに怒られる〜」
「………」
「……もういいや」

こんなことしてたら学校に遅刻しちゃう。

*

私には兄が4人いる、残りの2人がぴぃにぃとキヨにぃだ。

海のように深い青い髪に、サファイアみたいに透き通った瞳を持ったぴぃにぃ。
チョコレートみたいに甘い茶髪に、苺みたいに熟れた真っ赤な瞳のキヨにぃ。

「ぴぃにぃは？降りてきてないの？」
「うん」
「嘘〜、起こしたのに…。10分経ってるよ」
「今日は長めかもしれないな、目玉焼き冷めちゃうんだけど」

2人とも朝は少し弱め。ぴぃにぃは起きて10分(長い時は30分)は使い物にならない。
意識はハッキリしてるけど、体が動かないらしい。

キヨにぃは起きれない。起こしても起こしても起きてくれない。
起こす時は起きないけど、予定があると自分から目を覚ますから予定が無くても起きて欲しい。

「やべ、もう時間だ。レトさん2人起きたらご飯準備してあげて」
「オッケー。行ってらっしゃい」
「はすにぃ、今日何時ぐらい？」
「8時には帰るよ」

慌ただしく出ていったはすにぃを見送り、私も身支度を整える。

「A、今日は遊んでくるん」
「先輩に誘われたら行く」
「LINE入れてな」
「分かってるって、よし、行ってきます」

*

P-P
→比較的平和な家族の4男。Aの兄。一家のゴミ出し担当。
大学生。朝は使い物にならない。

キヨ
→比較的平和な家族の3男。Aの兄。一家の洗濯担当。
大学生。バイトをいっぱいしている。