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過信出来るようなら気狂いなんて辞めちまえ【轟焦凍】 ページ9

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「私、あの人が嫌いだ」


憎々しげに見つめるAちゃん。

いつものAちゃんからは想像もできないほど顔を歪ませて。

全身全霊で叫んでいるみたいだった。


あいつが嫌いだ、と。


視線の先にあるのは暴れる爆豪くんと気絶した轟くん。


どっちのこと?なんて聞ける雰囲気ではない。


ただ、それはすぐに分かった。



いつも人当たりのいい朗らかなAちゃんはどうしてだか、轟くんだけには異様に冷たかった。

挨拶は最低限しかしない。返事も事務的。そっけない。

あれから少しだけみんなの輪に入るようになった彼も、薄々気付いてきたらしい。

傷付いた、と言うよりは不思議そうにしていたけど。


「俺は雛菊に嫌われてるのか?」


ド直球で聞いてきたもんだから返事に困った。

うんそうだよ。なんて言えるはずがない。

そこにいた全員が気まずげに黙り込み、どう応えるか悩んでいると、


「見てわかんだろ。今更かよ」


ハッと鼻で笑うド直球な爆豪くんの言葉にしょんぼりとした轟くん。

ちょっと助かった。

(本当…!どっちも素直すぎか!!ていうか爆豪くん、意外とよく見てるんやなぁ)

デクくんがアタフタしているのが見える。


「俺、なんかしたか?」

「あぁ!?俺が知るわけねぇだろ!!てめぇで考えろ!!」


ま、大体想像はつくがな。あのバカ女が。

爆豪くんはめんどくさそうにそう吐き出した。

流石は幼馴染。

じゃあやっぱりデクくんも分かるのかな…と、デクくんの方を見やると、皆同じことを考えたようで彼に視線が集まった。

デクくんは苦い笑いを浮かべている。


「えぇっと……Aちゃんは引っ込みがつかなくなってるだけで、放っておいたらその内態度もやわらかくなるよ。
Aちゃんが嫌いだったのは個性を抑えていた頃の轟くんだから、今は大丈夫」

「それ、雛菊が言ってたのか?」

「いや、直接聞いてはいないけど多分合ってると思う。Aちゃん、わかりやすいから」

「そうか。幼馴染みすげぇな。………前の俺が嫌いだった理由とかも分かるのか?」

「想像はつくけど……」

「教えてくれ」

「……………いや、やっぱり僕が言うべきじゃない。知りたいならAちゃんに直接聞くのがいいと思う。真っ直ぐ聞けば、真っ直ぐ返してくれるよ」


そういう人なんだ、と笑うデクくん。

そのやわらかい笑みを見ると、心臓とか、肺のあたりがギュッと苦しくなる。


これは、認めちゃいけないやつだ。







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日葵(プロフ) - 初コメありがとうございます!更新は遅くなりますか必ずしますので! (2022年1月22日 19時) (レス) id: 7d431a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 乱歩さんめっちゃイケメン!好き!!続き楽しみにしています! (2021年12月10日 13時) (レス) @page4 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日葵 x他1人 | 作成日時:2021年11月24日 3時

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