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「はぁぁぁ。君は馬鹿か?いや、断言しよう。君は馬鹿だ」


「なぁっ!」



警官の汗だくの顔がみるみる赤くなっていく。



「では!!他の誰にこの殺人が可能だったと!?えぇ!えぇ!これほど私を馬鹿にしたのですから、勿論分かるのでしょうね!?難解奇怪なこの殺人事件を!!」


「難解奇怪?バカを言うな。こんなの子供だって簡単に分かる。ただ君が馬鹿なだけだ」



そこからはあっという間だった。スラスラと淀みなく事件の真相を語る青年。

言葉が終末を紡ぐまでには数分程しかかからなかったはずが、私の世界は数時間かかった気さえした。

長らしいその時間を使って凡庸極まりない私の脳はようやく理解した。

この青年は、私の世界を壊し、救い出してくれた神様。


私の、神様。



「この子は犯人じゃない
________________犯人は君だ」




ああ、いるんだ。神様はいたんだ。

犯人なんて、どうでもいい。真相なんて、どうでもいい。

この人が神様だ。

この人が黒といえば、それは真実黒で。

白といえば、それは白だ。

じんわりと髪の毛越しに伝わる彼の掌の熱があんまりにもあたたかくて。

視界が歪んで、手の甲が濡れている。頬も、まつ毛も。

あぁ、泣いているのか、私は。

やさしい熱は離れていき、彼らは出口へと歩を進めていた。

これだけは、これだけは言わなければ。

私の世界を壊してくれて、



「あ"、あり、…………ありがどう、、ございます!」



深く、深く、腰を曲げた。これ以上ないほどに、深く。

声を出し慣れてないせいで、掠れて、どもって、小さな、小さな声だったけど。

声は、届いた。

初めて目が合った明るい神様は、くるっとこっちを振り向いて、ずっと飄々としていた顔が初めて驚きに染まった。

ありえないようなスピードで私の方へ近づき、キキーっと器用に急ブレーキをかけた青年は、私の顔の包帯をスルスルと外した。

醜い火傷跡が顕になる。

反射的に顔を両手で隠そうとするも、彼にとめられる。

まじまじと顔を覗き込む彼に、過剰な羞恥心と劣等感で逃げ出してしまいたい。

何とか顔を逸らすも、彼は両頬をしっかりと抑えて一言。



「君は僕と一緒に来ること!」


へ?


「なんでって?教えてあげる!
_______君の瞳がビー玉みたいに綺麗だったから!」


き、れい?


「僕の名前は江戸川乱歩!

座右の銘は」











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僕がよければすべてよし!

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日葵(プロフ) - 初コメありがとうございます!更新は遅くなりますか必ずしますので! (2022年1月22日 19時) (レス) id: 7d431a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 乱歩さんめっちゃイケメン!好き!!続き楽しみにしています! (2021年12月10日 13時) (レス) @page4 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日葵 x他1人 | 作成日時:2021年11月24日 3時

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