伝えたかった言葉は【空閑遊真】 ページ3
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「えっ……」
修からその話を聞いた私は部屋を飛び出した。
「遊真ッ！！！」
「A。どうした？」
「遊真っ、死んじゃうの……？」
凍りつく遊真の表情を見て、気付く。
本当なんだ。
ぺたん、と腰が抜け、床に座り込んだ。
「いやっいやっいやっ！遊真は生きるの！私と一緒に生きるの！」
「A」
「いやぁっ！絶対いや！いっ、一緒に大人になるの！！一緒にいてくれなきゃやだぁっ…！遊真言ったもん！！一緒にいるって！！言ったくせに…！！」
「A」
「やだよ、遊真ぁ……」
ぽろぽろ涙がこぼれ落ちる。
遊真が何度も何度も拭うが、それでも際限なく涙は止まらなかった。
そっと遊真と視線を交じらせると遊真は諦めたような、困ったような顔を浮かべていた。
そんな顔初めて見たよ。
「A、おれは本当は死んでたんだ」
「えっ…」
「でも、親父がおれを助けてまだ生きてる」
「…」
「本当は死んでた」
「…」
「だから、そんなに泣くなよ」
いつもみたいないたずらっ子の表情を浮かべ、また涙を拭う。
でも、手つきが他の誰に触れるよりも優しいから、また涙が止まらなくなった。
「なんで言ってくれなかったの…？」
「言ったらおまえ泣くじゃん」
「泣くよ！」
「おれ、おまえの泣き顔キライなんだ」
どうすればいいのか分かんなくなるから。
「…………抱きしめたらいいよ」
「なるほど」
遊真は柔らかく笑ってふわりと背中に手を回した。遊真の白い髪が頬にあたった。
涙はやっぱり止まらなかった。
「ねえ、遊真」
「なんだ？」
「もし、私が明日死んだらどうする？」
「どうもしないよ。いつも通り。でも、オサムたちに協力し終わったらおれも死ぬ」
「そっか」
悲しみが違うモノに覆い隠されていく。
たまらなく嬉しい。歓喜だ。悲鳴が出そうな程の狂気的なまでな喜び。幸せ。
彼は遠くないうちに死ぬというのに。
「遊真が死んだらブラックトリガーを飲んで、私も死ぬね」
「なんでコレを飲むんだ？」
「私と遊真が溶け合ってずっと一緒になれる気がするの」
「ふむ？相変わらずAの言うことはよく分からん」
「ひどいなぁ」
「でも、そっか」
死んでくれるんだな。
笑顔に似た表情。
そんな顔初めて見たよ。
「じゃあ、おれたちずっと一緒だな」
「うん」
ずっと一緒
涙はやっぱり止まらなかった。
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__________死なないで
世界の全ては君のもの【江戸川乱歩】→←言の葉を待つ者よ【浦原喜助】
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日葵(プロフ) - 初コメありがとうございます！更新は遅くなりますか必ずしますので！ (2022年1月22日 19時) (
レス) id: 7d431a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 乱歩さんめっちゃイケメン！好き！！続き楽しみにしています！ (2021年12月10日 13時) (レス) @page4 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日葵 x他1人 | 作成日時：2021年11月24日 3時
