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とりあえず、銃兎さんが運転する車に乗った。
四人乗り、まぁ後ろを詰めたらぎり五人は乗れるぐらいの広さ。


私は精神的にヘラってるのか、今さっきあったことをポツポツと零してしまう。
後、何故か京都弁に戻ってしまう。


「あんなぁ、院長……死刑になんねんて」


左馬刻「…そうか」


「聞いた時、嬉しくて悲しくて安心して、ごちゃごちゃになった」




しばらく間があいて、左馬刻が問いかけて来た。




左馬刻「なんで、悲しかったんだ?」


「……憎くても怖くても、愛しとった、からちゃうんかなぁ」



愛、って凄いよね。
そう付け足せば左馬刻はタバコを吸いながらそっぽを向いた。



恋愛とかじゃなくて親愛の方。
裏であんな事してても、優しさだけは伝わった。


光のように温かい愛が、ずっと続けば良かったのにね。
でも、偽物だったんだよ…血は繋がってないから。
表面だけの家族。

たった表面だけ、されど表面。


私にはその表面がすごく好きだった。


「うん、やっぱし愛しとった。好きやった。そやさかい多分一番悲しんでるのは私…ちゃうかな」


左馬刻「…身内が居ねぇから?」



「ソレもある、そやけど…一郎達は心の底から嫌うてるんやでアイツの事。優しい思い出も忘れて」


気付いたら院長の周りに誰も居なかった。


一人ぼっちで、輝きの無い虚ろな目で見つめられるのがとても怖かった。



「言えへんかったんやんなぁ、一郎達に。愛しとったって…また関係が崩れるのが怖くてさ」


左馬刻「……アイツらももうそんなガキじゃねぇよ。言いたくねぇなら言わなくていい」


「……そやな」


やっぱり言った方が良いのかな。
左馬刻の一言が、胸の片隅に突き刺された。

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Hikaririka(プロフ) - ライナさん» 本当に可愛いし、カッコ良いですよね!分かります!! (2022年7月14日 18時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)
ライナ(プロフ) - 乱歩さんありがとう!私の最推しが可愛いのにカッコ良すぎる!! (2022年7月13日 23時) (レス) @page17 id: be5fff55a0 (このIDを非表示/違反報告)
Hikaririka(プロフ) - 七巳流さん» わーい!神だァ!!(喜び) (2022年7月8日 22時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - ん、良い。神。 (2022年7月8日 19時) (レス) @page14 id: ba1fef69e7 (このIDを非表示/違反報告)
Hikaririka(プロフ) - 七巳流さん» これからどうなるんでしょうね、ふっふっふ…(不敵な笑み) (2022年7月2日 17時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃむねこ@元Hikaririka | 作成日時:2022年6月15日 17時

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