検索窓
今日:10 hit、昨日:17 hit、合計:16,894 hit

116. ページ16

「…知ってました?私の人嫌いはあの人から始まったんですよ」


やっと人前で普通に話せる様になった私は、隣の中島さんに話しかけた。


敦「え、まぁ、会話が会話ですから何となくは……」

「あの人、孤児院のお金を自分の為に使っていて…私達には何も無かったんです。ノートもろくに買えず、成長期なのにご飯を余り食べられなかった」


三郎達にはよく我慢させていた。

本当は三郎にはゲームボードを、二郎には新しいサッカーボールを買ってあげたくて院長にお願いしても、叶えては…くれなかったんだよね。

私は別に良かった、だから三郎達にもっとお金をかけたかった。


……その時には、もうお兄ちゃん達は死んでいるからかけたくても、かけられなかった。



だから、



「だから私と一郎は、裏で稼いでたんです、当時十四歳の私達には、ソレしかなかったんです。今はもう辞めて、更生しようとして…ソレで、探偵社に入りました」


バイトだって限られる、水商売だって十四歳は出来ない。
そうすると、知り合った百舌鳥さんに一か八かかけるしか選択肢がない。



「私、思うんですよ。本当の私は根っから腐ってるんじゃないかって、こんな考えしか思い付かなかった私は馬鹿です。ツテだってあったはずなのに、ね」


敦「Aさんは馬鹿じゃ無いです」


眉間に皺を寄せて、手を跡が着きそうなぐらいにぎっている中島さんを見ると何だか、私じゃなくて院長に怒ってるみたいだった。


「……そっか、"君"はそう思ったんだね。

とりあえず、話の設け場所を用意してくれてありがとうございました。今回の話は以上です、もう解散してくれて構いません。お時間をありがとうございました」



そう言うと、国木田さんはすぐさま立ち上がり、私の顔を伺ってから部屋を出た。
次は中島さん、その次は社長と太宰さん。
与謝野さんは私の傷を確認してから出て行き、谷崎さんらは私に一言言って出て行った。


乱歩さんは残っていた。

117.→←115.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Hikaririka(プロフ) - ライナさん» 本当に可愛いし、カッコ良いですよね!分かります!! (2022年7月14日 18時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)
ライナ(プロフ) - 乱歩さんありがとう!私の最推しが可愛いのにカッコ良すぎる!! (2022年7月13日 23時) (レス) @page17 id: be5fff55a0 (このIDを非表示/違反報告)
Hikaririka(プロフ) - 七巳流さん» わーい!神だァ!!(喜び) (2022年7月8日 22時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - ん、良い。神。 (2022年7月8日 19時) (レス) @page14 id: ba1fef69e7 (このIDを非表示/違反報告)
Hikaririka(プロフ) - 七巳流さん» これからどうなるんでしょうね、ふっふっふ…(不敵な笑み) (2022年7月2日 17時) (レス) id: aa52a3539d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しゃむねこ@元Hikaririka | 作成日時:2022年6月15日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。