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ar「着いたね…伊野ちゃん」
in「うん……そうだね、」
青空の下、綺麗な街並みと海の見える
丘の上の霊園。
その一番見晴らしのいい場所に、二人のそれはある。
そこまで着いた頃、急に胸が痛くなった。
その上、鼻の奥がツンッとした。
光と一緒に薮を探しに行ったあの山に、ちょっと
でも似た場所を探そうとして。
似てもなくても、景色のいいここを選んだ。
二人とも、綺麗な景色が好きだった。
ここは夜空も夜景も綺麗なとこだから、きっと二人は
少しくらい喜んでくれてるだろう。
ch「空の上でも宏太ってば、ひかに引っ付いてる
んだろうね笑」
ym「たぶんね笑 薮ちゃんのことだもん笑」
薮は、光が大好きだから。
きっとほんとは、もっとそばに居たかったろうから。
yt「案外、光甘えてたりして?笑」
tk「それはそれで気になるかも?」
光も光で、薮のことが大好きだったから。
今頃思う存分甘えてるだろう、生前に甘えれなかった
その分だけきっと。
in「来世は……最期まで二人で一緒にいろよ?」
ar「_ふたりなら、きっと大丈夫だよ」ニコッ
大ちゃんが、俺の肩を抱き寄せる。
俺が彼氏なのに、まるで俺が彼女みたいだ。
もう、二度と会えない二人に。
俺は一周忌のように涙が零れそうになった。
in「幸せになれよ……二人とも」
周りのみんなは、困ったような切なそうな顔して
俺の方を見る。
毎年口にする台詞だけど、その時の俺の顔も
みんなの顔もいつも変わらない。
in「
生きてくから。
叶うかあやふやな願いを、口にした。
これは、今年が初めて……かな、言うの。
そんな願いを、また目を瞑って心の中で呟く。
二人が、いつまでも一緒にいれるようにと___
end.
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希望(ひかり) - モナコさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて、嬉しいかぎりです! (2022年4月13日 7時) (レス) id: 204805afb2 (このIDを非表示/違反報告)
モナコ - めちゃくちゃ感動しました。 (2022年3月25日 10時) (レス) @page33 id: b297414b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:希望(ひかり) | 作成日時:2021年9月6日 20時