検索窓
今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:220,339 hit

*27* ページ28

貴「谷崎さんも如何です?」

谷「えっ」

驚いた顔の谷崎さん。彼のことだから、まさか誘われるだなんて思っていなかった、というところだろう。
この状況で誘わないという方が酷い話だ。

貴「太宰さん、谷崎さんも一緒に良いですか?」

太「うん、人数は多い方が愉快で楽しいよ」

太宰さんも別に私と二人きりで、というシチュエーションがご所望なわけではなかったらしく、快く了承してくれる。

谷「…じゃあ、お言葉に甘えて…」

太「よぅし!Aちゃんはマドレーヌを持っているんだったね?私が取っておきの紅茶を淹れてこよう!」

手伝います、と谷崎さんと同時に立ち上がるが、太宰さんに「いいからいいから」と窘められ、大人しく椅子に座って待つことにした。


谷「…」

貴「…」


沈黙。
別に話すことが無いとか、不仲だとか言うわけでは全然無いのだが、改まると言葉が出なくなり、さっきからお互い自分の足先を無言で見つめている。視界に「なんだあいつら」と言いたげな国木田さんの顔が映った気がした。


ここでそろそろ堪えきれなくなってきたらしく、谷崎さんが先に口を開いた。

谷「…えと、Aちゃんはさ」

貴「!は、はい」

谷「乱歩さんの、お世話?大変、だね?」


しどろもどろである。谷崎さんも改まると何話したらいいか分からなくなっちゃうんだろうな…。


貴「そう、ですね。つらいとかでは無いですけど…」

谷「そ、そッか」



沈黙。

いや、せっかく谷崎さんが話題を作ってくれたのに、そんな失礼なことがあるものか。乗るしかない、このビッグウェーブに!


貴「た、谷崎さんは!ナオミちゃんと最近ど、どうですか?」

谷「え…どうって…特に無いけど…」

貴「あ…そうですよね…すみませ…」


泣きたい。

そこから何を話すともなく時間だけが過ぎ、15分くらい経ってやっとこさ太宰さんが戻ってきた。



太「や〜お待たせ二人とも。親交は深められたかな?」

*28*→←*26*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
250人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 5ページ 太宰さんに乱歩さんに 乱歩さんを ではないでしょうか?  (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 3ページ 丈が眺めの 眺め ではないと思います、、 (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - みずさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月13日 19時) (レス) id: 3b14457373 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 乱歩さんに萌えました。あなたとあなたの作品が好きです心から。 (2018年8月9日 6時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - 通りすがりの変人さん» 嬉しいです!頑張ります!読んで頂きありがとうございます〜! (2018年5月27日 5時) (レス) id: a4f8881ef2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛花落葉 | 作成日時:2018年3月21日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。