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貴「…ふぅ」
心地よい昼下がり。仕事がやっと一区切りついた。
もうすぐ八つ時になる。乱歩さんが騒ぎ出す時間だ。
お昼に買っておいたマドレーヌでもあげたら喜んで貰えるかな…ぼんやり思いながら隣のデスクへ体を向ける。
貴「乱歩さ…あれ?」
いない。
しまった、ひとりでおやつを買いに出たのか。
くぅ、こんなことなら予告しておけば良かった…!
谷「乱歩さんなら10分くらい前に出掛けられましたよ」
貴「嗚呼、やっぱり…。」
谷崎さんが苦笑する。私の気苦労を察しての事だろう。本当に優しい人だ。
谷「Aちゃん、乱歩さんとおやつ食べるつもりだッたの?」
貴「はい、マドレーヌを買っていたんですけど…」
太「なんだいなんだいAちゃん!」
貴「わっ」
突然背後から江戸っ子のような言葉を発しながら現れる太宰さん。谷崎さんはもう慣れっこのようで「お疲れ様です」と微笑んでいる。
太「お疲れ様谷崎くん。いやそんなことより!いつも乱歩さんばかりに構っちゃって!たまには私とお茶でもどうだい?」
目を細めてきらきらオーラを撒き散らしながら太宰さんが言う。
おや、太宰さんのご相伴にあずかれるのだろうか。そんな滅相も無い…。
貴「良いんですか?」
太「ああ!Aちゃんさえ良ければ是非に!」
大仰な手振りで誘ってくる。相変わらず面白い方だ。
断る理由などあるまい。私はにっこり微笑んだ。
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麗(プロフ) - 5ページ 太宰さんに乱歩さんに 乱歩さんを ではないでしょうか? (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 丈が眺めの 眺め ではないと思います、、 (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - みずさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月13日 19時) (レス) id: 3b14457373 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 乱歩さんに萌えました。あなたとあなたの作品が好きです心から。 (2018年8月9日 6時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - 通りすがりの変人さん» 嬉しいです!頑張ります!読んで頂きありがとうございます〜! (2018年5月27日 5時) (レス) id: a4f8881ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛花落葉 | 作成日時:2018年3月21日 15時