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貴「お早うござ…わっ!?」
朝、いつも通り探偵社に出社すると、事務フロアにこれまた大きいモミの木が置いてあった。
しかも何やら飾り付けられピカピカしている。
…もしや。
国「ああ、お早うA。お前も書け」
状況の説明も一切無く、何やら紙を渡される。
一体何が起こっているって言うの…?
紙を見てみると、何やら薄っぺらい赤い紙。
これは…七夕に願い事を書く紙、だろうか。
目の前にそびえ立つクリスマスツリーとの関連性が分からないまま、とりあえずその辺にいた太宰さんに声を掛けてみる。
貴「お早うございます太宰さん。えっと、これは…」
太「お早うAちゃん。これは俗に言うクリスマスツリーというものだよ。ああ、クリスマスツリーというのはだね…」
貴「あ、いや、その説明はいいです。その、ツリーにそぐわない季節感のものがぶら下がっているのはどういう意図です?」
太宰さんはふふんと胸を張った。だとするとこれは太宰さんの発案か。そういえば太宰さんのデスクに置いてある卓上カレンダーは7月から捲られている形跡が無かった気がする。嗚呼、混沌。なんてこった。
太「Aちゃん、七夕という祭りは知っているかな?」
にっこり太宰さん。先程から私舐められすぎでは?
知ってますよと少し圧を掛けると、ふふふと躱される。そして言った。
太「ほら、クリスマスって、西洋のお祭りじゃない。そして、七夕も中国のお祭り。楽しいことを同時にやればもっと楽しいと私は考えたのさ!つまり、クリスマスツリーに七夕の願い事を書いた紙を提げるのさ!」
おおっと、今日も太宰さんは絶好調みたいだ。もちろん嫌な意味で。嘘でしょ、太宰さんはこんな阿呆なことしないと思っていたのに。誰かと複数人で企んだに違いない。
太「ちなみに発案は私と乱歩さんだよ」
ほら見ろ。録なことが起こらない人選だ。なんで誰も止めなかった…。しかし歯噛みしてももう遅い。立派なツリーに社長が願い事を提げてしまっているのが視界に入った。もうどうにでもなれ。
乱「わはは、驚いたかいA。いやぁ愉快だ!」
いつの間にやら現れた乱歩さんに背をぽんと叩かれる。もう貴方様が楽しいのならそれで満足です…。
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麗(プロフ) - 5ページ 太宰さんに乱歩さんに 乱歩さんを ではないでしょうか? (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 丈が眺めの 眺め ではないと思います、、 (2021年3月28日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - みずさん» 嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月13日 19時) (レス) id: 3b14457373 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 乱歩さんに萌えました。あなたとあなたの作品が好きです心から。 (2018年8月9日 6時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
飛花落葉(プロフ) - 通りすがりの変人さん» 嬉しいです!頑張ります!読んで頂きありがとうございます〜! (2018年5月27日 5時) (レス) id: a4f8881ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛花落葉 | 作成日時:2018年3月21日 15時