決断 ページ44
「文次郎は僕が女とわかってどう思った?」
文次郎の手が止まった。
2人だけの空間。
沈黙が続く中僕は言葉を変えて問いかけた。
「男だらけのこの学園で性別隠してみんなを欺いてるこの僕をどう思った?」
文「A」
「気色悪い?許せない?」
文「A!」
「ねぇ!どう思ったの?!」
僕は文次郎の呼びかけを無視して叫んだ。
文「A、いいかよく聞け誰もそんなこと思ってないしお前が何を隠そうと俺達はずっとそばにいる」
「…」
文「隠し事は誰だってあるし言いたくなければ言わなくたっていい、だがお前の口から真実を言って欲しかった、俺達を頼って欲しかった、そんなに俺達はお前にとって頼りないのか?」
「頼りないとかそういうのじゃないの」
「じゃあなぜだ」
「言ってしまったら何だか日常が変わってしまう気がした、それに僕だって女って自覚したの最近の事だから」
「そうか」
文次郎は僕の両手から手を離して頭を撫でた。
文「悪かった」
「ううん」
こちらこそごめんと謝ろうとしたが声が出なかった。
僕がいることでみんなどれだけ苦しんだんだろう。
僕がみんなと一緒にいたいなんて願ったせいで。
結局僕は自分のことしか考えてないただの自己中だ。
頼れないとわかってていてみんなを弄んだにすぎないんだ。
僕はここにいるべきじゃない。
予定より早く”約束”を果たすしかない。
それでみんな僕のことを忘れてそれぞれの道を選んでくれれば僕は。
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もしゃどーる(プロフ) - つくもがみさん» コメントありがとうございます!!楽しんでもらえて良かったです!!更新頑張りますね^^* (2020年9月7日 2時) (レス) id: 105769ebda (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ - あぁ、すっごい好きです。これからどうなるのか楽しみ。更新、無理せず頑張ってください。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もしゃどーる | 作成日時:2020年6月9日 22時