鬼 ページ18
千に手招きされ、誘われるように千鶴が座っていた縁台に腰を下ろす。
まだ生暖かさが残っていた。
お千「それで話なんだけど風間千景って知ってるわよね？」
"風間千景"
屯所に来てから何度かお目にかかっている鬼とやら。
つい先日も奴に借りを作ってしまった。
いつまたふざけたこと言って千鶴を攫いに来るかわからない。
お千「その顔は知ってるみたいね」
剥「あいつは一体なんなんだ
どうして千鶴を狙う」
お千「彼も言っていたでしょう？正真正銘の鬼よ。」
剥「それを信じろって？」
お千「それを確認する為に私に会いに来たんじゃないのかしら」
__………あぁ、何もかもお見通しってことか。
剥「……お千、お前はいったい…」
お千「私も鬼なのよ」
剥「…」
お千「ほんとに記憶がないのね。記憶はないけれど身体や思考が勝手に動いてしまった…。」
剥「…お前は俺がなんなのか、わかるのか？」
お千「貴方よりは知っているかも」
剥「…」
お千「ねぇ、これだけ教えて頂戴」
剥「なんだ」
お千「貴方は"どちらの味方"なの？」
__________________________
君「姫、どうされますか？」
お千「まだ様子見かしら、千鶴ちゃんを1番見守れるのは彼女だけ。千鶴ちゃんも信用してるようだし幸い風間はもう"雪村"を狙わないでしょう」
君「やはり生き残っていたのですね」
お千「今は記憶がないから安全だけど、全てを思い出したら危険かもしれない。風間もそれを恐れて完全には手を出さないわ。1番厄介なのは雪村綱道と南雲薫。彼らに彼女の存在がバレてしまっては全て終わる。」
君「時間の問題でしょうね」
お千「彼女の為にも世界の為にも私達が護らねば」
__……この世界はおわる……___
続く
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作者名：もしゃどーる | 作成日時：2018年9月18日 6時
