# 22 ページ23
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* 主side *
「ふっ...!」
《! ギア上げて来ましたね。水瀬の真骨頂である158 km/hのストレート、柳田は振り遅れました!》
初球はインハイのストレート。
焦らずにと言われたのに思っていたより力を入れ過ぎてしまった。
その後2球続けてストレートを投げ、カウントは1ボール、2ストライク。(1回は一塁側のファールで岡本くんの頭の上を通過して切れていった。)
こっちはまだ直球しか投げていないから柳田さんも相当ハラハラしていると思う。
「(次は、フォークか...)」
紅白戦の時を思い出して少し笑みが溢れ、マスクを被る誠司さんも少し首を傾げている。
腕を大きく振って投げた球は柳田さんのブンッとこちらまで聞こえてくるスイングを掻い潜り、見事三振をとった。
その後内川さんをセカンドゴロで打ち取ってチェンジとなり、僕は3回を投げて交代となった。
もっと投げたい気持ちはあったけど、今日の試合はオープン戦だし監督も他の選手を見てみたいというのもあるから仕方ない。
それに相手の主砲ともいい対戦ができていろいろ学べた気がする。
「水瀬くん」
試合が終わりベンチに少し残って余韻を楽しんでいると、ホークスの選手に声を掛けられた。
視線を向ければ先程まで試合で活躍していた選手ばかりいて吃驚、それに身体大きくて怖い。
試合お疲れさま、年上の内川さんや松田さんに言われたので勢いよく立ち上がって返事を返した。
「お疲れ様です! すみません、こちらから出向かなくて...」
「いいよそういうの。こっちが一方的に声掛けただけだし。」
「そうそう、堅苦しい!」
気軽に話そうよと言ってもらい、ジャイアンツの先輩も優しいけどホークスの方も優しいなと思った。
他球団の新人にまで優しいなんてお二人の後輩はもっと幸せでしょうね、そう伝えればキョトンとした顔をみせた。
「...ちょっと! 次詰まってるから!」
固まって動かない2人にちょっ、退いて!と言って彼らを押し退け、また違う選手が僕の前に現れた。
先輩なのに大丈夫なのかな、なんて思ったけど何も言われていないみたいだしいいのか。
「...よっ! 喋ってみたかったんだよね。」
見れば僕からヒットを打った福田さんとトシから本塁打を打った柳田さんが前にいて、その後には中村さん、今宮さん、川島さんが顔を覗かせていた。
(あれ、Aは?)
(...いない。)
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さや - 柊樺さん» 楽しみにしてますが、あまり無理をしないで下さいね♪ (2019年3月14日 15時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» やっぱり甲子園は何かありますよね! 小話かなにかで主人公の高校時代の話を書けたらなんて思ってます! (2019年3月12日 17時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - 柊樺さん» やっぱり、あの試合でしたか! 甲子園の魔物を実感した試合でした。「勝って涙の中京大中京、負けて笑顔の日本文理」名言だと思いました。日本文理の投手は忘れましたが、中京大中京のエースは堂林さん。優勝決定時は外野手してましたが、彼はエースでした。 (2019年3月12日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
柊樺(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます! その試合を参考に話作ってみました、さすがです!笑 リクエストなどあれば気軽に送ってください! (2019年3月11日 22時) (レス) id: e54ee28eca (このIDを非表示/違反報告)
さや - おはようございます。たまたま読んで、ハマってしまいました(笑) 主人公の高校時代の一戦は、日本文理VS中京大中京の決勝を思い浮かべながら読んでしまいました(時期は少し違いますけどね)。 (2019年3月11日 7時) (レス) id: e1494134c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊樺 | 作成日時:2019年2月22日 13時