(〆 Mr.KissMan )

Kiss1 ページ1

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雲ひとつない晴れた空に
春にしては暖かすぎない少し涼しい風 。








今日から学年がひとつ上がって高校2年生になる 。







新学期を迎えるには贅沢な穏やかすぎる朝 。









特に理由は無いけど新学期ってワクワクしちゃう 。






軽い足取りで校門に一歩踏み出すと









「 A 、みーつけた！」









…… 穏やかな朝 、終了 。









『 うわ … 最悪 』

「 んもう！何でそんな事言うの！」









私の目の前で頬を膨らませる彼奴は … 浮所飛貴 。









『 … 飛貴 、あっち行って 』

「 ええ！やだよ！」









飛貴とは小学校から高校まで同じの為に
付き合いこそは長い 。








だけど 、私は彼奴が物凄く苦手 … 。









どれくらい苦手か …… 強いて言うなら 、
黒板を引っ掻いた音と同じくらい 。









苦手な飛貴の横を通り過ぎることに成功した私は
新しいクラスは何処だとクラス発表の張り紙を見れば









「 ねー 、何で先に行くの！」









彼奴が追いかけて来ない訳が無くて 。



何か聞こえた？ … 私は知らない聞こえていない 。









お 、私のクラスはC組 。









「 A 、C組！俺もC組だー！」

『 … 最悪 』









隣で聞こえる飛貴の大きい声 。




声が大きいから 、聞こえてくるから無視出来ないし
それに同じクラスなんて … 1年間大変だ 。









私が溜め息を吐いた所で隣の彼奴の声が聞こえる 。









「 ねー 、Aちゃん 」









あ … これはやばい 。


割と危険な状況である 。









普段 、飛貴は私のことを呼び捨てで呼ぶけど
たまに Aちゃん と呼ぶ時がある 。









『 飛貴 、今すぐ向こう行って 』

「 だから無理だってば！」

『 いや新学期だし止めて 』

「 Aちゃん … もう俺 、限界なの 」









こうやって呼ぶ時は 、決まって









『 待って 、場所変えて！』

「 やだ 。だってAちゃん 、逃げるでしょ？」









やばい 。って言うのも 、浮所飛貴は









『 飛貴 、やめっ … 』









遅かった ……









「 んふ 、満足！」









キス魔 なのである 。









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