検索窓
今日:14 hit、昨日:35 hit、合計:598,913 hit

Kiss32 ページ32

.




「 そうだよね 。何だか吹っ切れちゃったよ 」

『 え?』

「 吹っ切れたというか 、肩の力が抜けちゃった 」






ずっとひーくんの気持ちが見えないままだった 。


はっきり振ってくれてやっとひーくんの気持ちが
わかったから 、もう私はひーくんを応援する






そう言う蘭那ちゃんはクスクスと笑って
私に親指を立てて見せた 。





「 だから 、もう私に遠慮しないで?」




リボンをパチっと付け直した私に
蘭那ちゃんは微笑んで言う 。






『 遠慮って … 』

「 これで 、おあいこにしようよ 」

『 おあいこ?』

「 そう!あ 、もうチャイム鳴っちゃうよ!」






教室戻ろうって私の腕を引く蘭那ちゃんを見て
飛貴はこんないい子以上に好きになった人が
いるんだと思うと余計 、自分に自信が無くなる 。




.




放課後 、鞄に教科書を詰めていると
いつものように那須くんが私のところに来た 。





「 Aちゃん 、帰ろうよー 」

『 今日はちょっと … 』

「 あー … 浮所か 」

『 え 、何でわかるの 』





飛貴に呼び出された 、なんて言ってないのに
すぐ気づいたようでにやにやしている 。






「 見たらすぐわかるよー 」

『 なっ … 」

「 まあ 、頑張るんだよ 」





私の頭をぽんっと叩いてから
那須くんは教室を出て行った 。





『 … なんだあれ 』

「 ふふ 、那須くんって優しいよね 」






那須くんの背中を見ていると
横から聞こえた声 、蘭那ちゃんだとすぐにわかった






「 私 、那須くんと少し話して来る 」

『 え?蘭那ちゃん?』






また明日と那須くんを追いかける蘭那ちゃんを見て
飛貴との約束を一瞬忘れかけた 。

危ない 、危ない …





飛貴の席を見るともうそこにはいなかったから
きっともう図書室にいるんだと思う 。




.




キュッと鞄のチャックを閉めて
図書室に向かう 。




教室から図書室は反対側の校舎の為 、
少し遠いはずなのに気づけばもう数歩歩けば
図書室に着いてしまう距離まで来た 。







ひとつ深呼吸をして 、
一歩踏み出すと



ふわっと飛貴の匂いがしたような気がする 。






さっき飛貴も私と同じ道を歩いて来た


そう思うと今 、飛貴の1番近い距離にいるのは
私だと思えて胸がドキドキと音を立てる 。








ガラッと開けた図書室のドアの先 、

カウンターで両耳にイヤホンをして
本を読む飛貴がいた 。





.

Kiss33→←Kiss31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1519 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1794人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひゅーら(プロフ) - 1番好きだったお話が終わって寂しいです( ; ; )お疲れ様でした! (2018年8月8日 16時) (レス) id: aa8eeb01f9 (このIDを非表示/違反報告)
こりん - 少し激しめのキスシーンも読みたかったです!プラスで書いていただきたいくらい^ ^ (2018年8月3日 8時) (レス) id: 552a5d5abc (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃか(プロフ) - 長い間お疲れさまでした。スゴい面白かったです!! (2018年7月31日 17時) (レス) id: 6bb2b8ab02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - とても素敵できゅんきゅんするお話をありがとうございます!次の更新がとても待ち遠しいです。ひだかくんがどうなるのかとってもどきどきしてます! (2018年7月6日 16時) (レス) id: 016839428c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一気読みしました!おもしろいです! 幸せになってほしいなー! (2018年7月3日 7時) (レス) id: 3f1cd80dfa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるるん | 作成日時:2018年4月5日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。