Kiss12 ページ12
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「 友達として 」
私の耳に届いた言葉 。
なーんだ と理解するのと同時に
那須くんはスッと私から離れて 。
『 ちょ … 』
「 そういうことだから 」
少し動揺を隠せないまま頷く私と
相変わらずニコリと微笑む那須くん 。
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周りにいるクラスメイトはおめでとうやら 、
ひゅーひゅーなんて言って茶化してくるけど …
最後の言葉は私にしか聞こえない声だったから
勘違いするのも仕方ないか 。
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はあっと溜め息をひとつ零すと誰かが
那須くんにぶつかる 。
「 …… 邪魔なんだけど 」
ぶつかった相手は見たこともないような
冷たい目で那須くんをギロリと睨んだ 。
「 ああ 、悪かったよ … 浮所 」
ぶつかった相手は 、飛貴で 。
謝った那須くんに対して
何も言わずに教室を出て行った 。
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そんな飛貴の背中を見ていると
那須くんが何か呟いた 。
「 完全に嫉妬したな 」
『 え?何て?』
「 こっちの事情でーす 」
何を言ったのか聞き返すも 、気にしなくていいよ
って私の肩をぽんぽんと叩く 。
少し気になるような … そんな気もするけど
ふーんって聞き流すことにしたところで
蘭那ちゃんと目が合う 。
『 あっ … 』
だけど 、その目は蘭那ちゃんから逸らされて
そのまま蘭那ちゃんは教室を出て行く 。
「 どうした?」
『 今 、蘭那ちゃんと目が合ったんだけど … 』
逸らされちゃって 。
そう言うと那須くんは
蘭那ちゃんが出て行ったドアを
「 その子も 、その子で余裕無いんじゃない?」
少し寂しそうな目で見たから 、
次は私が那須くんの肩をぽんぽんと叩く 。
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「 少し前の俺と同じなのかも 、あの子 」
『 … 蘭那ちゃんが?』
「 うん 」
ぽんぽんと叩く私の手を軽く払い退けては
私の席に座って 。
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「 不安なんだよ 、きっと 」
那須くんが 、
「 浮所のこと 、本当に好きなんだと思う 」
あまりに私の目を真っ直ぐに見てそう言うから
「 浮所も多分 、彼女が本当に好きだよ … 」
少しだけ …… ほんの少しだけね 、
「 勘違いされちゃったし 、浮所なんか諦めて 」
那須くんに
「 俺と付き合わない?」
どきっとした 。
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ひゅーら(プロフ) - 1番好きだったお話が終わって寂しいです( ; ; )お疲れ様でした! (2018年8月8日 16時) (レス) id: aa8eeb01f9 (このIDを非表示/違反報告)
こりん - 少し激しめのキスシーンも読みたかったです!プラスで書いていただきたいくらい^ ^ (2018年8月3日 8時) (レス) id: 552a5d5abc (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃか(プロフ) - 長い間お疲れさまでした。スゴい面白かったです!! (2018年7月31日 17時) (レス) id: 6bb2b8ab02 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - とても素敵できゅんきゅんするお話をありがとうございます!次の更新がとても待ち遠しいです。ひだかくんがどうなるのかとってもどきどきしてます! (2018年7月6日 16時) (レス) id: 016839428c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一気読みしました!おもしろいです! 幸せになってほしいなー! (2018年7月3日 7時) (レス) id: 3f1cd80dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2018年4月5日 12時