第七話 ページ7
「私は、ヒプノシスマイクの干渉を受けない代わりに、ヒプノシスマイクを起動することも出来ないんです」
それは何を意味するか
毒島さんはきっと理解しているだろう
この世界で最も
落ちこぼれなのだ
「私には何も出来ない、そんな人間です」
お借りしたマイクを彼に返す
何だかとっても虚しくなった
もっと何か言い方があっただろう
けれども、それ一番自分に合っていると思った
暫くの沈黙
気まずい
何か言わねば、と口を開いた時
毒島さんが立ち上がり空になったマグカップにまた珈琲を注ぐ
「小官はそれを否定しよう」
低い男らしい声が
身体を透き通る感覚がした
ああ、そうか
あなたはそう言ってくれるのか
「貴殿は確かに小官を守った、それ紛れもない事実」
「故に小官は貴殿を否定する」
すとん
落ちる音がした
胸の中で、何かが
「今日はもう遅い、泊まっていくといい」
「え、でも」
「夜の森は危険だ」
言い終わる前に遮られた
少し圧があったようにも感じとれた
もしかしたら毒島さんは怒らせたらダメなタイプかもしれない
ここは大人しく言うことを聞いておこうか
お礼を言って頭を下げると毒島さんは「貴殿の話が聞きたい、なんでもいい」と言った
大した話は出来ないけれど
それでもいいのなら、と頷いた
また向かいの大木に座るのだろう
そう思っていたら
「ありがとう、貴殿に興味が湧いた」
ナチュラルに隣に座った
「……え…？」
突然の距離の近さに動揺を隠せない
顔のいいイケメンが真隣にいる
それも、肩同士が触れ合う距離だ
そう言えば
crazy Mはハーフだと聞いた
おそらく海外の血だろう
こういうことをナチュラルにしてしまうタイプか
気にしないでおこうか、と切り替えて
たわいもない話をした
沢山話した
毒島さんは嫌な顔せず時に笑って、時に考え込む仕草をしたり、真剣に聞いてくれた
「話し込んじゃってすみません」
「構わない、貴女の話は面白い」
貴殿から、貴女に変わった
これは、彼の好感度が上がったのだろうか
何だか嬉しくなった
なんて考えは一瞬だけだった
「もっと貴女を知りたい」
突然さっきよりも近くなる距離
腰に添えられ手が、力強い
考えが追い付かず
言葉が出ない
「小官は守られる事に慣れてない。けれど貴女をそれを容易くしてしまった」
私の髪をすくい上げて
彼はそっと口付けてきた
「小官は貴女に惚れてしまったらしい」
狩人の目をしていた
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彪雅(プロフ) - Locoさん» 一日に二週も！貴重なお時間を使って頂きありがとうございます！もうこの作品以上の良い物作れる気がしません(^^;楽しんで頂けたようで嬉しく思いますありがとうございます！ (2021年7月2日 7時) (
レス) id: 1f8ddf155c (このIDを非表示/違反報告)
Loco - 一日で二周しました。なんかもう幸せすぎます！ありがとうございました！ (2021年6月30日 18時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)
彪雅(プロフ) - 完結してもうすぐ一年やのに未だに通知来るの怖いみんなヒプマイ大好きかよありがとうございますありがとうございます (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1f8ddf155c (このIDを非表示/違反報告)
彪雅(プロフ) - 2次元依存症さん» 返信遅くなって申しわけないです！一気読みありがとうございます頑張ります！ (2020年10月5日 2時) (レス) id: 7fa9381753 (このIDを非表示/違反報告)
2次元依存症 - すぐに一気読みしてしまいました！本当に面白かったです(^^)これからも頑張って下さい*\(^o^)/* (2020年7月14日 21時) (レス) id: 2f3de9b29a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彪雅 | 作成日時：2020年5月20日 15時
