第四十一話 ページ41
忘れ物無し
戸締りオッケー
メイクばっちり
服装も問題なし
全て完璧に思えた
この瞬間、この一時
全てが大丈夫だと思った
それは大きな間違いとなった
「迎えに来たよ」
現れたのは
あの男
「おめかしして可愛い。そういえばデートだったね」
なんでも知ってるぞ
なんて笑うから
手にあるバッグで思い切りぶん殴った
「また来るって行ったじゃん」
「何で、今日に限って…」
今までの休日
本当に何も無かった
不思議なくらい
こいつ
「狙ってたな？」
「うん、好きな人が他の男とデートするんだよ？そんなの、ぶち壊したくなるじゃない」
考えより
先に手が出る
あまりの脳筋さに笑いも出ない
早くこいつを
何とかしなければ
その一心だった
強い衝撃が身体を走り
振りかぶった拳を空を舞う
「物理は人を制す。それ、元は僕が言ったセリフだよね」
誰しも
後頭部を殴れば視界はぐらつく
世界が揺れて見える
男が笑って
頭を、頬を撫でてる
気持ち悪い
「いたっ」
ぽたぽたと血を流しても
男は笑ったまま
「嘘だろ、この状況で噛み付くのか。いいね、そそる、そういうとこも好き」
私を殴ったであろう大男に担がれる
傍から見たら人攫い
誰か見てないだろうか、と
虚しい願いだ
ああ、畜生
脳裏に
彼が思い浮かぶ
毒島さん
どうか来ないで
どうか怪我しないで
私の為に
怒らないで
鞄の中から
はらりとハンカチが落ちた
私のお気に入りの
彼の目の色と同じ色の刺繍が入ったやつ
毒島さん
毒島さん
どうか
「たすけて」
「おはよう、いい夢見れた？」
「fuck」
「目覚めの罵倒ありがとう」
気を失ってから
目覚めるのは一瞬だった気がする
知らない空間で
知らない男たちに囲まれ
椅子に座らされて
手首を後ろで縛られている
「お前は、本気で何者なのよ」
「…わぁお、Aが僕に興味示すなんて珍しい興奮しちゃった」
「マジで死んでくれ…」
だる絡みというやつだ
一々癇に障る物言いに悪態を吐く
それでも彼は喜ぶだけ
「普通に生きてるよ、パンピーだよ」
「お前みたいなのはパンピーとは言わないクレイジーっていうの、クレイジーダークホース」
「厨二病みたいなあだ名着いちゃった…」
彼は私から離れて
大男からタバコを受け取り口に加える
BLACKJACK
禁煙して、残りを碧棺さんにあげた
私が吸っていた銘柄だ
否、否、
元は彼奴が好きで吸っていた奴だ
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彪雅(プロフ) - Locoさん» 一日に二週も！貴重なお時間を使って頂きありがとうございます！もうこの作品以上の良い物作れる気がしません(^^;楽しんで頂けたようで嬉しく思いますありがとうございます！ (2021年7月2日 7時) (
レス) id: 1f8ddf155c (このIDを非表示/違反報告)
Loco - 一日で二周しました。なんかもう幸せすぎます！ありがとうございました！ (2021年6月30日 18時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)
彪雅(プロフ) - 完結してもうすぐ一年やのに未だに通知来るの怖いみんなヒプマイ大好きかよありがとうございますありがとうございます (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1f8ddf155c (このIDを非表示/違反報告)
彪雅(プロフ) - 2次元依存症さん» 返信遅くなって申しわけないです！一気読みありがとうございます頑張ります！ (2020年10月5日 2時) (レス) id: 7fa9381753 (このIDを非表示/違反報告)
2次元依存症 - すぐに一気読みしてしまいました！本当に面白かったです(^^)これからも頑張って下さい*\(^o^)/* (2020年7月14日 21時) (レス) id: 2f3de9b29a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彪雅 | 作成日時：2020年5月20日 15時
