彼のお誕生日 ページ16
8月12日。今年もこの日がやってきた……。
同棲している彼…遊佐さんの誕生日。
しかも今年で50歳になるみたいなんだよね。全然見えないわ…遊佐さんほんとに50歳なの？
って、そんなことより
「……なんも準備してない」
どうしよう…何も準備してないってこと知られたらあの人拗ねるんだよな…。
でも…まだ時間ある。遊佐さんがお仕事から帰ってくるのは誕生日が終わるギリギリ…。今はまだお昼ちょっとすぎた頃。
今からケーキ買ってきて…プレゼントも買って…料理も作って…。なんとか、間に合うかな…？
「よし、買いに行こう」
素早く出かける準備をして私は急いで家を出た。
・
・
「…よし！」
ケーキも買ってプレゼントも用意した。
遊佐さんの大好きな餃子も作った。
「いつ帰ってくるかなぁ…」
少しドキドキしながら彼の帰りを待つ。
11時ちょっとすぎに帰ってくるみたいだけど…それまで私が起きていられるかが心配だな。
「ただいま〜」
玄関から聞こえた声にピクリと肩を揺らす。
急いで彼がいるであろう玄関へと向かう。
「おかえりなさい！！」
「ただいま、A。…すごくいい匂いがする」
「遊佐さん、早く早く！来てください！」
「わかったわかった。まず靴脱がせて」
優しく私の頭を撫でてくれる彼の暖かい手に思わず口許が緩んでしまう。
「…うわ、すごいね。これ全部一人でやったの？」
「そうです、褒めてください！」
「偉い偉い」
「あ、そうだ。これプレゼントです」
「お、やったね。なんだろ」
そう言ってプレゼントの箱を丁寧に開ける彼。
中身は小さな十字架のついたシンプルなネックレス。遊佐さんに似合うと思って奮発して買ったやつ。喜んでもらいたいな…
「へぇ…なるほどねぇ…」
ニマニマとしながら私とネックレスを交互に見る彼。私は何が何だかわからず首をかしげた。
「気に入りませんでした？」
「いや、そんなことないよ。ただ…Aは僕のこと独占したいんだな、って思って」
「へ……？」
「あれ、知らないの？ネックレスをプレゼントする意味。…"独占したい"とか"束縛したい"って意味なんだよ？」
耳元で低く囁かれ顔に熱が集まる。
そんな意味があるなんて…思わなかった。
ドキドキと高鳴る心臓を抑え私は遊佐さんとの距離を取った。
「そ、そそそそんな！私はただ…！！」
「あはは、ほんと反応面白いよね」
ケラケラと笑う彼。
…からかわれたのかな
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白華(プロフ) - 唐突に遊佐様の小説を探していてこちらを見つけて、当たりだ！って思いました！今後も頑張って下さい！ (2018年5月13日 14時) (
レス) id: 3f0452cc14 (このIDを非表示/違反報告)
kk1207(プロフ) - 更新ありがとうございます！今回も本当に素敵でした…！特に、「彼に看病されたい」の最後の一文…！シンプルだけどすごく心にきました。ありがとうございます！ (2018年4月10日 8時) (レス) id: 56b5f11ad3 (このIDを非表示/違反報告)
silk-シルク-(プロフ) - ru4_1さん» コメントありがとうございます！！わわわわ、まさか私と同じ妄想をしている方がいるとは！()ありがとうございます！！頑張ります！！ (2018年3月30日 1時) (レス) id: f8dd923b28 (このIDを非表示/違反報告)
ru4_1(プロフ) - 本当に素敵な小説ありがとうございます…！本当に全て自分の想像通りの素敵なお話ばかりでこんなに自分が求めていたものと一致する作品に出会ったのは生まれて初めてです。これからも応援しています。 (2018年3月29日 18時) (レス) id: 56b5f11ad3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月16日 23時) (レス) id: fc2891c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：silk-シルク- | 作成日時：2018年2月16日 23時
