彼に思う存分愛されたい ページ12
※遊佐さんヤンデレ
「Aちゃ〜ん」
「わ、遊佐さん…?」
先輩の遊佐さんに後からぎゅう、と強く抱きしめられる。私はこの人のことが少し怖い。
怒られたことはないけど…なんていうか…雰囲気…?かな…?なんか怖い。
「ん…あれ、シャンプー変えた?」
「あ、はい。よく分かりましたね…?」
「ふふっ」
緩りと微笑む彼。
優しい笑顔のはずなのに…なんでか、やっぱり恐怖を感じる。私はお腹に置かれている彼の手を離して「このあとまだ仕事があるので…」と言ってその場を切り抜けようとした…けど、遊佐さんは私の腕を掴み自分の方へと私を引き寄せた。
突然の出来事に追いつけず思わず固まってしまう。
「ねぇ、なんで僕から逃げようとするの?」
「えっ…?」
「いつもそうだよね。僕を見てすぐ逃げようとする。分かってるんだよ」
「そ、そんな…!逃げようとなんて」
「無意識なの?へぇ…」
抱きしめる腕がさらに強くなる。
ちらりと遊佐さんの顔を見るとさっきまでの笑顔はなく無表情で冷たい瞳で私を見下ろしている。
いつもと違う彼に思わずビクビクと怯えてしまう。そんな私のことはお構い無しに遊佐さんは私に問いかける。
「そういえば、安元くんと随分仲がいいみたいだね。この前も2人きりで旅行に行ったんだって?」
「! な、なんで…」
誰にも言わずに二人だけで行った安元さんとの旅行のことを何故、遊佐さんは知っているの?
怖い、どこまで知っているの?嫌だ、怖い…
「僕とはそんなに仲良くしてくれないのに…。こんなに君のこと好きなのに、愛してるのに、なんで伝わらないのかな…?」
ぽつりぽつりと紡がれる言葉。
優しく私の頬を包み上を向かされる。自然と遊佐さんと目が合う。瞬間、遊佐さんとの距離が0になる。唇には暖かい感触…遊佐さんにキスされてる。
せめてもの抵抗で彼の胸を叩く…が、彼は気にしない様子で私のことを離さない。
ようやく、唇が離れると私は酸欠状態で遊佐さんへと倒れ込む。
「好き、愛してる…誰にも渡したくない。僕だけのA」
抵抗しない私を遊佐さんは逃がさないとでもいうようにぎゅう、と強く抱きしめた。
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「一生、離さない」
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白華(プロフ) - 唐突に遊佐様の小説を探していてこちらを見つけて、当たりだ!って思いました!今後も頑張って下さい! (2018年5月13日 14時) (レス) id: 3f0452cc14 (このIDを非表示/違反報告)
kk1207(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も本当に素敵でした…!特に、「彼に看病されたい」の最後の一文…!シンプルだけどすごく心にきました。ありがとうございます! (2018年4月10日 8時) (レス) id: 56b5f11ad3 (このIDを非表示/違反報告)
silk-シルク-(プロフ) - ru4_1さん» コメントありがとうございます!!わわわわ、まさか私と同じ妄想をしている方がいるとは!()ありがとうございます!!頑張ります!! (2018年3月30日 1時) (レス) id: f8dd923b28 (このIDを非表示/違反報告)
ru4_1(プロフ) - 本当に素敵な小説ありがとうございます…!本当に全て自分の想像通りの素敵なお話ばかりでこんなに自分が求めていたものと一致する作品に出会ったのは生まれて初めてです。これからも応援しています。 (2018年3月29日 18時) (レス) id: 56b5f11ad3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月16日 23時) (レス) id: fc2891c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:silk-シルク- | 作成日時:2018年2月16日 23時