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ー「手伝おっか？」
「へ？」
帰りのSHRが終わり、ホチキスを手にしたとき。龍我が私の机にやって来て、前の椅子に座った。背もたれが前に来ているから、これまた長い脚を左右に放り出して。
「大丈夫！クラス分しかないし。
だいたい、さっき一緒に帰ろうって誘われてたじゃん。待たせてるでしょ」
なんでだろ。龍我の顔が見れない。私は無心でプリントをまとめていく。二人きりの教室。まだまだ日の落ちなそうな空は、明るくて。
龍我はぷくっと頬を膨らませ、頬杖をつく。
「別に良いし」
「よーくーなーい。女の子待たせるとかさいってー」
ふと目に入ったのは。目の前にある、柔らかそうなほっぺ。つい触れたくなっちゃって。だって私より肌綺麗で、白くて。これ絶対全女子触りたがるヤツ。
思わず指先でむぎゅ、と左右に伸ばしてしまった。
「龍我はほんと私のこと好きだね」
──からかったつもりだった。前よく言ってたし。
それなのに。龍我は一瞬にして耳を赤くし、私の手を振り払うとそそくさと教室を出て行った。ポカンと後ろ姿を見送ることしか出来ない私。
……え、何その反応。バカじゃん、そんな返事が返ってくると思った。初めてあんなリアクション取られた。
やり過ぎたかな〜くらいにしか考えてなくて。私はまだ、何一つ龍我の気持ちに気づかないでいた。
ー「乗る？」
あの手振り払われ事件から一週間。帰り道、信号待ちをしていると隣で止まった自転車。もちろん龍我だ。
てっきり怒ったのかと思ったら、全然そんなことなくて。次の日もふっつーに話しかけて来たから拍子抜け。男の子って、ワカラナイ。
「乗る！」
私はバッグを勝手にカゴに入れ、後ろの荷台へいつものように飛び乗った。走り出す自転車。汗ばんだ肌に、冷たい風が心地よくて。
「夏休みどこ行く？」
「え、一緒に行く前提？じゃあ、花火大会！」
「A花火好きだよね」
「何か楽しいじゃん！りんご飴食べながら見たい」
なんて他愛もない会話をしているとき。ポツポツ、とアスファルトを濡らし始めた雫。ふと空を見上げれば、真っ暗な灰色の雲。
数分も経たないうちに、バケツをひっくり返したような雨が降り始めた。
「きゃー！？最悪あと少しなのに！」
「A雨女だろ！ありえねー！」
「龍我のせいだし！」
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
