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学校終わりの空が好き。わずかな青を残し、オレンジが絶妙に混じって綺麗だから。夏の暑さは鬱陶しいけど。
そんな空の下。二人乗りをする一台の自転車が爽やかに走って行く。いきなりガタン、と傾いたため私は反射的に背中に抱きついた。
「A太った？」
「は？」
「重いよ〜パンクしそ〜」
「シバく！！」
──佐藤龍我、高校一年生。
「龍我よりは軽いもん」
「だって俺のが20センチ背高いし」
──佐藤A、高校一年生。
同じ名字と同じ学校。まぁ、日本で一番多い名字だから被ってても何ら問題は無い。あと一人佐藤さんいるし。
龍我とは、小学生からの腐れ縁。背も私よりうんと低くて、赤ちゃんみたいな顔してたのに。でも、いつからか龍我は「綺麗な」男の子へと変貌していた。
とっくのとうに抜かされた身長。すらっと長い手足と、見とれるくらい綺麗な切れ長の瞳。柔らかそうなぽってりした唇。
たまに私だってドキッとする。だから、周りの女子が騒がないはずがなかった。そんなだから、当然告白だってされることが多い。
なのに、誰一人承諾しない。答えはわかってる。「私がいるから」。もう良いのに。ただの幼なじみだから、こんな一緒にいなくて良いのに。
自分が龍我を縛り付けている感じがして、最近何だか居心地が悪かった。
「コンビニ行かない？」
「コンビニ？」
「アイス食べたい！」
あと何回、こうやって帰れるのかな。そんなことをふと考えて、私はまたウエストに手を回したのだった。
ー「佐藤！ちょうど良かった！」
体育終わり。汗で濡れてしまった前髪を気にしながら階段を登っていると、後ろから声をかけてきたのは担任だった。
両手に資料を抱えて。……とんでもなく嫌な予感するんですけど。
「これ、明日配りたいから綴じ込み頼んで良いかな？頼む！」
予想は見事当たり。『嫌に決まってるじゃん！！』とは言えず。いや喉まで出かかったけど。私は「はーい」と適当に返事をして教室に入る。
学級委員って、ほぼ雑用な気がする。何で放課後に一人ホチキス止めしなきゃいけないの！！
「あら、Aどったのそれ」
「押し付けられた」
「うそ！評定上げてもらいな！」
「そうする」
六時間目だったため、帰る人は制服に着替えていて。私はため息を吐き出し椅子に座った。
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ミント(プロフ) - どのお話もとても素敵で、短編なのに引き込まれる世界観が大好きでした！おつかれさまでした！ (2019年1月14日 15時) (
レス) id: e20fb3d910 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆちゃん(プロフ) - 私の大好きなマジョマリがまた読めるなんて感激です（ ｉ _ ｉ ）楽しみです！頑張ってください！ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f9588c4e4d (このIDを非表示/違反報告)
真優(プロフ) - ゆうぴのお話で、ゆうぴが一個上の先輩で、主人公が後輩の関係で直接会うとあまり話せないけどラインとかだと話せるみたいな仲でクリスマスに後輩が告白する的なものが読みたいです！ (2018年12月24日 2時) (レス) id: f8f4960291 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お忙しい中お返事ありがとうございます(TT)！わぁ、そうだったんですね…！どれも素敵なお話だったので残念で寂しいですが、お返事頂けて嬉しかったです！これからも楽しみに読ませて頂きます☆ (2018年11月22日 22時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！いつもありがとうございます(*^^*)実はDeuxの方削除してしまいました……。もし好きな作品だったら本当に申し訳ないです(；_；) (2018年11月21日 19時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2018年5月25日 17時
