Dandelion (ページ10)

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誰かが大声で怒鳴っているような声が聞こえる。

その声に薄ら目を開け、声の方に顔を向ければ丈くんの後ろ姿があってその視線の先には大ちゃんと正門。

おれは邪魔な酸素マスクを取りまだ目が覚めたばかりでしんどい身体を急いで起こす。

今にも二人に掴みかかりそうな丈くんに向かって今出る最大限大きな声を出したつもりだったけど思ってたより出なくて口も回らんかった

和｢二人を、、責めん、とって？丈くん……｣

それでも、丈くんは俺の声に動きを止めて振り向いたくれた。

だけどその表情は驚きから次第に苦しそうな顔になった。

俺の様子を見た正門はすぐに病室を出ていき、大ちゃんは駆け寄ってきて

西｢先生の指示があるまでしとって？｣

と言いながら酸素マスクを付けさしてゆっくりと寝かしてくれる。

正門もすぐに看護師さんを連れて戻ってきた。

｢大橋さん、血圧測りますね？｣

頷いて窓に目を向ければ空が夕焼けに染まりはじめて、それから傍らにいる大ちゃんと正門を見ると安心させようとしてくれたのか微笑んでくれたけどその顔には疲れがみてとれる。

｢失礼しますね｣

と言って少し遅れて病室に入ってきた主治医の先生のほうに向き直りそのまま丈くんに視線を持っていけば病室の端により身体を強ばらせたまま、ただただ静かにこちらを見ていた。

先生は聴診器と脈拍を測り終えた後

｢お話したいから1度酸素マスク外すね｣

と言って名前や昨日の夜のことを質問される。

まだ、しんどさはあるのでゆっくり答えた。

そしてやっぱり見つけてくれたのは丈くんと大ちゃんやったみたいで、いつもよりしんどく感じるのは今回は薬の量が多かったからみたい。

今まで、容態によってはその日のうちに帰れた時もあった。

でも、今日は入院になるやろうなとは思ってはいたものの明日の血液検査と体調次第で退院日を決めることになって確実に明後日以降となった退院に

またメンバーや事務所の人に迷惑かけちゃったな……

と小さなため息が出る。

そんなおれに大ちゃんが優しく肩をさすってくれた。

先生は大ちゃんと正門に泊まりの許可を出してくれて最後、丈くんに声をかけて病室を出ていった。

大ちゃんと正門は入院が確定したためかおれの家から持ってきてくれたであろうパジャマやタオル、いつも使ってる私物を手早く整理しはじめた。

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