Dandelion (ページ16)

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人格. ページ16

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藤原side

西｢──ょうくん、丈くん！着いたで｣

大吾に揺すられて起こされた俺は少しでも寝たおかげか頭痛もしんどさも少し改善されていた。

西｢ここであってます？｣

丈｢あぁ、ありがとうな｣

そう言ってシートを起こして残りのミネラルウォーターを飲み干す。

大吾はその様子を伺いながら

西｢あの……はっすんのことなんやけど……｣

急に大橋の話を切り出されて俺は身構える。

丈｢おぉ……なんや？｣

西｢別人格が出ている時は、はっすん記憶ないねん。やから、はっすんの話したいことに別人格が表に出ている時の話は含まれへんから必然的に西畑から話すことになるんやけど……改めての方がいいですかね？｣

きっと俺の体調を心配してくれてるんやろう。

だけど、今聞いといた方がいい気がして

丈｢いや、今頼むわ｣

大吾は少し姿勢を正して話し始めた。

西｢分かりました……まずこの事を知っているのは西畑と正門とごく限られた事務所関係者で1番身近な人で言えば関西Jrの統括マネージャーですね。丈くんがこの事を知ったことを伝えたんでそのうち連絡来ると思います。今回のような事が起きたら統括マネージャーに連絡することになってるので｣

丈｢分かった｣

西｢基本的に別人格が出た時は本人たちから各々連絡してくれるのでそういう時は状況を見て僕と正門で仕事とかよっぽどの事がない限りはっすんの家に泊まりに行くようにしてます｣

西｢人格については大まかに言えばはっすんの他に三人の人格がおって5歳の男の子かずくん、14歳の少年かずや、そして名無しという男の人格です。別人格が出てくる頻度は１日で二人の別人格が出てきたこともあれば1週間出てこなかったり、かと思えば5日連続で出てきたりとかなり不定期で、はっすん自身は別人格が出ている時の記憶はなくて別人格同士でもそれは同様だそうです。ただ別人格は皆はっすんの記憶を共有していて別人格同士の記憶は中でやり取りをして補ってるって言うてました｣

西｢今回の件はかずやの人格がしたことになりますが、情緒不安定な時に今回みたいなことなどをしてしまうんですけど、彼に関しては……また改めて話させてください｣

丈｢……ん｣

大吾からつらつら出てくる言葉はやはりどれも俺の理解の範疇を超えた内容ばかりだったが、これが理解出来なければこれから聞くであろう大橋の話には到底ついていけないんやろうと思い必死に受け止める。

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